JSBA スノーボードバッジテスト2級に挑戦!着眼点で見られているポイントをチェック

JSBAスノーボードバッジテスト2級の着眼点 カービング

「今シーズンは、JSBAのスノーボードバッジテスト2級に受けよう」と考えている方もいることでしょう。

バッジテストは、「実力を測るため」「インストラクターになりたい」という方には、目標の一つとなるものでしょう。

今回は、このバッジテストに合格するためにも、知っておいて損のない、「着眼点」に注目していきます。

着眼点と言われても、どのようなところを見ているのか、わからない方もいるかと思います。

そこで、着眼点において、押さえておきたいポイントをお伝えしていきます。

着眼点を理解せずに好きな滑りをしてバッジテストに臨むことは、数学のテストに対して国語の回答をするようなものです。

求めている答えに対して、回答がズレてしまうと、いくら良い答えをしても点は出ません。

着眼点は、テストでいうところの出題するポイントと言えるので、しっかりと把握しておきましょう。

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JSBAのスノーボードバッジテスト2級の種目と着眼点

まずは、JSBAのスノーボードバッジテスト2級の種目と着眼点をおさらいしていきましょう。

スノーボードバッジテスト2級の種目

〈カービングターンショート〉
〈ベーシックカーブロング〉
〈フリーライディング〉

この3つがバッジテスト2級の種目です。

JSBAのスノーボードバッジテスト3級までは種目が2つですが、2級から種目が3つになります。

そして、基本的に求められるのは、カービングターンの技術を持っていることです。

そのため、技術レベルはある程度の高さを求められます。

なお、JSBAのバッジテスト1級との種目の違いは、「ショートターン」のみです。

当然、1級と2級で求められる技術レベルは大きく異なりますが、種目に関しては2級が最も変化の大きい級と言えるでしょう。

スノーボードバッジテスト2級の着眼点

■カービングターンショート

・確実な雪面グリップ
・安定したスピードのコントロール
・適切な荷重、抜重
・左右均等なターン弧

■ベーシックカーブロング

・安定した全体のフォーム
・スムーズで適切な上下運動
・適切なポジショニング
・左右均等なズレの少ないターン弧

■フリーライディング

・斜面状況に合ったボードコントロール
・流れの良い運動と滑走
・複数の滑走技術を食い合わせた演技構成

この着眼点を押さえることができれば、あとは技術が伴えば2級の合格ができます。

と言う私は、バッジテストを受ける当時、この着眼点の意味をあまり理解せずにバッジテストに受けていました。

スノーボードスクールのレッスンを受けて、教えてもらった技術をそのまま行うことで、幸いにも合格することはできました。

しかし、その後着眼点の本当の意味を知らなかったため、インストラクターになった後に、再認識しなくてはいけなかったのです。

インストラクターになって、この着眼点について認識するまでに時間がかかりました。

バッジテストだけではなく、インストラクター実技試験なども目標にしている方は、今後にも関わるところですので、しっかりと認識しておくことをおすすめします。

そして、この着眼点の意味を理解できていれば、バッジテスト2級だけではなく、1級の合格もしやすくなるでしょう。

スノーボードバッジテスト2級の着眼点①カービングターンショート

JSBAのスノーボードバッジテスト2級の着眼点で書いていることを元に、実際にどのようなところを見られやすいのか、をお伝えしていきます。

まずは、カービングターンショートの着眼点です。

確実な雪面グリップ

着眼点にも書いている「雪面グリップ」

しかし、グリップと言われても、どのようにできていれば良いのかわからない方も多いかと思います。

雪面グリップとは、「エッジング」のことです。

スノーボードやスキーにおける「エッジング」とは、エッジを雪面に立てて抵抗を与えることです。

エッジングのイメージ

エッジング自体は様々な場面で使えて、エッジングするタイミングや力の方向の意識を変えることで「減速」「板のたわみからの反発」など様々な影響を与えることができます。

JSBAバッジテスト2級のカービングターンショートでは、カービングターンをしつつ、暴走しないようにコントロールできていれば印象は良いです。

それでは、雪面グリップをするエッジングのイメージについてお伝えします。

まずエッジングのイメージが湧かない方は、「ブレーキング」をイメージすると、わかりやすいかと思います。

スノーボードでサイドスリップ(横滑り)をしていて、急ブレーキすることをイメージしてみてください。

恐らく、急激に止めるために「板に力を加えようとしゃがむ」方もいるかと思います。

板に力を加えようとしゃがむことでブレーキが強くなるのは、サイドスリップの場合は間違いではないです。

立っている姿勢から小さくなる姿勢を作ることで、ヒールサイドであればお尻が雪面に近くなります。

これにより、結果的に板が立つことにより板が雪面に食い込み、雪面からの反力に耐えられるよう板に力を加えていることになります。

サイドスリップからのブレーキングのイメージ

このようにブレーキングもエッジングの一種なのです。

ただ、ここで間違えた解釈をしないようにご注意ください。

「停止する」ということではありません。

遠心力や滑走スピードに対応する「制御するための減速」に近い技術です。

そして、ただ減速するのではなく、ターンをつなげるためのエッジングとなります。

▼雪面グリップを行うイメージ

雪面グリップのイメージ

エッジングを上手く使うことができると、ターン後半で板がグリップしている(雪面に食いつく)ように見えます。

一方で、雪面グリップが見えないパターンは、下記のように見えやすいです。

▼雪面グリップが見えないイメージ

雪面グリップができていないイメージ

・ターン後半で角付けが弱く、テールが斜面下側にズレるように見える

・エッジを切り替えるだけの滑り

このようなパターンですと、着眼点にある「確実な雪面グリップ」は見えづらいです。

また、雪面グリップができていても、点が出ないケースもあります。

▼停止動作を行ったときのイメージ

停止動作のエッジグリップのイメージ

上記のような急激なエッジングや、完全な停止動作のようなエッジングを行うと、雪面状況が良い場合、点が出ないこともあります。

雪面状況が悪く、コントロール性を見られる場合は点が出ることもあるかもしれませんが、検定員の中にはあまり良くない印象を持つ方もいると考えています。

状況によって左右される滑りよりも、いつでも良い印象のある滑りの方が良いでしょう。

そこでおすすめの考え方をお伝えします。

ポイントは、「スピードを制御するためのエッジング技術を使う」ということです。

そして、この雪面グリップと次のターンへのつなぎがしっかりとできれば、リズムも良くなりやすい傾向にあります。

※滑走技術がとてつもなく高い方の場合は、ブレーキングではなく、板をたわませるためのエッジングでも点は出るでしょう。

安定したスピードのコントロール

安定したスピードのコントロールは、そのままですね。

カービングターンショートの場合は、暴走しやすいです。

スピードがコントロールができずにただ落下しているようですと点が出ません。

スピードのコントロール方法は色々とありますが、ショートターンですので、先程お伝えした「確実な雪面グリップ」がポイントになるでしょう。

暴走と見なされやすいポイントとしては、「体が遅れていたり」「安定性が欠けている」「ターンを描けておらず、落下している」です。

自身が安定して滑られるスピード域でコントロールできると良いでしょう。

適切な荷重、抜重

まずは「荷重」と「抜重」について知っておきましょう。

「荷重」は、適切なポジションで乗ることによる板への負荷です。

遠心力や重力などの外の力を適切に板に伝えるための体勢を作っていきます。

よく「加重」と間違えやすいところですね。

自身の力(内力)で頑張って板に負荷をかけようとする行為は「加重」です。

ベーシックカーブでのお話ですが、「荷重」と「加重」の違いについては、詳しくは下記の記事に書いています。

ただ、ショートターンの場合は、板に意図的に負荷をかける「エッジング」があるので、自身で力を加える「加重」も使っています。

ちょっと紛らわしいですが、ショートターンでは、乗る「荷重」と、内力による「加重」のどちらも行うことが多いです。

また、「抜重」については、板にかかっている負荷を緩めることです。

「抜重」をするなら、負荷を緩める体勢、もしくは緩めるための体の動きをしていきます。

そして、適切な動き、タイミングで「荷重」と「抜重」ができると、ズレが少ない、きれいなターン弧を描くことも可能と言われているのです。

ここで、JSBAバッジテスト2級を受ける方に、お伝えしたい注意点があります。

よくあるのが、荷重を加重と間違えて後ろ足で板を押し出そうとしてテールスイングになり、ズレてしまうことがあります。

これでは、合格点は出にくいです。

無理に板を曲げようとするのではなく、板は立てば曲がるので、まずは板なりに曲がることを体感して、エッジグリップさせる練習をすると良いでしょう。

左右均等なターン弧

ヒールサイドとトゥサイドどちらのターンも均等にできていると点が出やすいです。

よくあるのが、ヒールサイドでのズレが大きく、トゥサイドでキレがある場合です。

このように滑ると、ヒールサイドが小さめのターン弧になり、トゥサイドは少し大きめのターン弧になりやすく、リズムも狂いやすいです。

また、幅だけではなく、縦のサイズも関係してきますので、ターン全体のサイズを合わせるように意識すると良いでしょう。

横乗りのスポーツのため、このような特性になりやすいですが、ここをできるだけ合わせていくことが合格するための重要なポイントになってきます。

スノーボードバッジテスト2級の着眼点②ベーシックカーブロング

次は、ベーシックカーブロングの着眼点です。

安定した全体のフォーム

ベーシックカーブに関しては、「上下運動」を伴っていきます。

ターン中にバランスを取らなければいけないため、このときに全体のフォームが安定しているかを見ていきます。

バッジテスト2級に多い、バランスの悪いフォームは「トゥサイドの内倒」です。

適切なリーンアウト(傾く体に対して起き上がる動き)をするのが、安定したフォームを作るコツとも言えます。

ただ、リーンアウトを意識し過ぎることで、逆に重心の傾きが作れずに、適切なポジショニングができないこともあります。

「適切なポジショニング」ができた上で、リーンアウトができると良いでしょう。

スムーズで適切な上下運動

先程もお伝えしたとおり、ベーシックカーブでは「上下運動」を行います。

よく勘違いしやすいのが、「ただ上下運動をすればいい」と思われている方です。

この解釈を間違えると、点が出にくくなってしまいます。

上下運動がターンにどのように作用するのかを考えると、演技のような要素であっても点が出やすいですよ。

それでは、簡単に上下運動について説明していきます。

上下運動の「上」は、立ち上がりのことです。

立ち上がりとは、つまり「抜重」のことであり、ターンの後半から切り替え期に行う動きです。

立ち上がり抜重に関する考えは、下記の記事に詳しく書いています。

一方「下」は、脚部の曲げによるしゃがみ込みのことです。

しゃがみ切った姿勢を作ることで、「荷重」ができる姿勢を作ります。

「荷重」は自身の力ではなく、外力に対応する姿勢を作ることですので、しゃがみ切った姿勢を作ることで外力に対応できるようにしていきます。

ここでポイントなのが、「外力に対応するためにしゃがみ切った姿勢を作っておくこと」です。

しゃがんでいる最中は、外力を吸収する動きになります。

そして、動き続けているためにバランスを崩してしまいがちです。

外力が強くなるターンの中盤から後半に差し掛かるところでは、「しゃがみ切った姿勢が完成している」のがベストです。

しゃがみ切った姿勢を作っておくことで、外力が強くなっても対応しやすくなります。

沈み込み荷重のストロークの動きについては、他の記事で私の考えを書いています。

この意味を理解して、上下運動をすることで技術の上達も早くなりますよ。

適切なポジショニング

適切なポジショニングは、ターン中に板が変にズレていかないかを見ています。

先程の荷重と抜重も関係していますが、荷重をしているときに板の上に乗っているポジションが悪いとズレてしまいます。

ズレること全てが減点対象ではありませんが、適切なポジションが取れていない場合は見てわかるほどのズレを生じます。

そして、そのズレを制御できずに転倒してしまうこともあるでしょう。

このように、「ミスをしてはいけない」というわけではなく、ミスをカバーできる位置にポジショニングができているのか、が重要なのです。

そして、適切に板に力を加えることができていること安定したターンができていることが、この着眼点と言えます。

基本的なポジショニングに関しては、他の記事で書いていますので、よろしければ読んでみてください。

左右均等なズレの少ないターン弧

ヒールサイドとトゥサイドのターンができるだけ均等であることがポイントです。

片方のターンが極端に大きく、小さい場合は、やはり点が出ません。

できるだけ左右のターンを合わせるようにしましょう。

そして、均等というのは左右の幅だけではなく、ターン弧の縦の大きさも含まれます。

ターンの弧自体のサイズを意識できると点が出やすいでしょう。

スノーボードバッジテスト2級の着眼点③フリーライディング

最後は、フリーライディングの着眼点の細分化です。

斜面状況に合ったボードコントロール

フリーライディングは、種目最後に行われることが多いため、雪面状況が悪くなりやすいです。

そして、他の二つの種目よりも滑走距離が長く設定されることが多いです。

場所によっては、斜度も変わることもあるでしょう。

このように状況が変わった状態で、状況に合った滑りやボードコントロールができているのかを見られやすいです。

例えば、斜度が緩いところでスピードを減速させてしまうような滑りをしてしまっては、あまり印象が良くありません。

逆にフリーというだけあり、楽しそうでスピードがあり、コントロールできている範囲で攻めた気持ちがあると点が出やすいです。

斜度設定や雪面状況に合わせたうえで、自身が持てる最善の滑りができるかがポイントになってきます。

流れの良い運動と滑走

流れの良い運動とありますが、フリーライディングは運動種目ではありません。

そのため、上下運動を伴わなければいけないわけではありません。

ここでの運動とは、ターン技術に合わせた動きのことです。

要は、どんなターンでも切り替えができており、ターンもしっかりとできていればOKです。

ただ、流れが良いことが着眼点ですので、バランスを崩すような無理矢理なターンをしたり、減速ばかりのターンでは点が出づらいでしょう。

複数の滑走技術を食い合わせた演技構成

複数の滑走技術の演技構成ですので、ロングターンやショートターンなどサイズを変えたターンを混ぜていくことが重要です。

中にはグランドトリック(グラトリ)を織り交ぜる方や、ギルランデ(斜めにショートターン)を織り交ぜる方がいます。

グラトリに関しては、完成度が高ければ加点が出ます。

しかし、減速してしまうようでは減点対象となりますので、お気をつけください。

ギルランデに関しては、演技構成の幅を広げるという意味で使う方もいるかと思いますが、こちらも減速になりやすい技術だということを頭に入れておきましょう。

スピードに乗らなければ、減点にはなりませんが加点対象になりづらいです。

技術力の高い方であれば加速させることは可能ですが、多くの方はギルランデで加速させることは難しいかと思います。

ただ、滑走距離が長い場合は、演技構成に幅を持たせるという意味で効果があるかもしれません。

ギルランデは、使いどころを見極めるのがポイントと言えるでしょう。

また、検定員の印象が良い構成としては、2回ほど滑りを変える構成です。

例えば、

・ロングターン→ショートターン→ミドルターン
・ショートターン→ロングターン→ショートターン

など滑りの構成をメリハリをつけて変えると印象が良いです。

ただ、滑りの構成を変える際には、ターンのサイズやリズムがハッキリと変わったとわかることがポイントです。

ロングターンからミドルターンに変化させる場合は、滑りによってはターンサイズが変わっているように見えないことがあるので、お気をつけください。

このようにバッジテストのフリーライディングでは、スピードに乗った、メリハリのある構成が点が出やすいです。

まとめ

今回は、JSBAのスノーボードバッジテスト2級の着眼点について細かくお伝えしました。

不適切なことではありますが、検定員によっては、見ているポイントが変わってしまうこともあります。

これは、バーン状況によっても見るポイントを変えることもあるからです。

しかし、基本的に着眼点から外れることはありませんので、着眼点に沿った練習をすれば合格しやすいと言えるでしょう。

バッジテスト3級までと比べて、2級からレベルが急激に上がりますが、着眼点を理解して練習し、合格できるよう頑張ってください。

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