サマーゲレンデを滑るときに気になるのがスノーボードの板。
「どの板で滑ればいいの?」「普通の板で滑ることができるの?」と考えている方もいることでしょう。
私も最初は、サマーゲレンデのことをよく知らずに板を1本ダメにしてしまったことがあります。
そこで、サマーゲレンデ専用のスノーボードの「BALSIP(バルシップ)」が必要になるというわけです。
このバルシップの性能を普通の板と比べてどのような違いがあるのかをお伝えしていきます。
ただ、サマーゲレンデ次第では、普通の板でも滑れることがありますので、その点も含めてお伝えしていきます。
※2019年8月23日にバルシップに関する新しい情報を確認しました。
バルシップの2019年度の在庫状況と2020年度の情報ですので、気になる方は最後の章の「2020年度のバルシップの予定」をご確認ください。
※2022年に新型バルシップの情報を確認しました。
詳しく知りたい方は、最後の章の「2021年以降に新型BALSIPが発売していた!?」をご覧ください。
サマーゲレンデは普通の板で滑られない?
サマーゲレンデは、ブラシの種類によって板のチョイスが変わってきます。
ブラシの種類
ブラシの種類は、大きく分けて「スノーエース」「PIS-LAB(ピスラボ)」「カービングマット」の3種類です。
それぞれ滑った感覚が異なるため、好みで決めても良いかもしれません。
下記の記事が、それぞれのブラシのスキー場であり、滑走したときの感想とそれぞれの特徴を記載しています。
▼スノーエースの感想
▼ピスラボの感想
▼カービングマットの感想
私は、一番距離の近い丸沼高原スキー場を、よく利用させていただいています。
一番滑りやすい環境は、ふじてんだと思っています。
それぞれのブラシに使える板
「スノーエース」と「カービングマット」の場合は、基本的に「冬と同じ板」で滑ることができます。
※スキー場の環境(散水量や気温)次第では確実とは言えません。
冬に使っている普段使っている板を使えるので、乗りやすいかと思います。
ただし、ソールが削れないとは言い切れませんので、夏用に別の板を用意しておくことをおすすめします。
次に「ピスラボ」です。
ピスラボの場合は、普通の板で滑ることは控えた方が良いです。
私自身、ソールを削ってしまい、板を1本ダメにしてしまいました。
それでは、どのような板を使えば良いのかと疑問を持つ方もいることでしょう。
ピスラボを滑るときは、特殊メタルやステンレスを取り付けた板を使います。
特殊メタルがソールのエッジ付近に貼られている板は、「KISSMARK(キスマーク)」が開発した、「BALSIP(バルシップ)」という板があります。
ちなみにバルシップには、スキーとスノーボードのどちらの板もあります。
スノーボードのバルシップは2種類であり、アルペンモデルの「AL BALSIP」とフリーライドモデルの「STYLE BALSIP」です。
私は、普段フリースタイルで滑っていますので、フリーライドモデルの板の特徴を書いていきます。
※ここからは、「バルシップ」=「STYLE BALSIP」とします。
サマーゲレンデ専用板 バルシップの性能
バルシップに種類があることをお伝えしましたが、そもそも年式があるのでお伝えしていきます。
バルシップは私が知っているだけでも3世代出ています。
■1世代目
色:白が主体で紫と水色が一部に入っているデザイン
サイズ:143cm、151cm
サイドカーブ:6.8m
ノーズ幅:278.0
ウエスト:238.0
テール幅:278.0
サイドカーブ:7.4m
ノーズ幅:288.0
ウエスト:246.0
テール幅:288.0
■2世代目
色:オレンジが主体で、黄色や緑などのボーダーでカラフルなデザイン
サイズ:151cm、157cm
サイドカーブ:8.2/7.1m
ノーズ幅:284.0
ウエスト:242.0
テール幅:284.0
サイドカーブ:8.6/7.5m
ノーズ幅:290.0
ウエスト:246.0
テール幅:290.0
■3世代目
色:オレンジが主体で、黄色や緑などのボーダーでカラフルなデザイン
サイズ:152cm、158cm
サイドカーブ:7.6
ノーズ幅:293.0
ウエスト:249.0
テール幅:293.0
サイドカーブ:7.6
ノーズ幅:298.0
ウエスト:251.0
テール幅:298.0
ちなみに1世代目ではエントリーモデルが2つ、2世代目からアルペンモデルが1つ出ています。
2世代目と3世代目のバルシップの性能の違い
私が使ったことのあるバルシップは、2世代目の「157cm」と3世代目の「158cm」です。
2世代目はレンタルで使用し、3世代目は購入して使っています。
ここからは完全に主観ですが、バルシップの2世代目の「157cm」と3世代目の「158cm」を比較した性能の違いを記していきます。
■2世代目のバルシップの方が良いと感じた点
・板自体に多少の張りがあり、安定感を感じる
・操作性も多少やりやすい
■3世代目のバルシップのバルシップの方が良いと感じた点
・硬すぎる印象がない
・ラウンドに近い乗り味
3世代目のバルシップは、セミハンマー形状になっています。
しかし、キック(板の反り)が始まる位置が早めであるため、直滑降のときは、エッジ長が長い印象はありません。
板をある程度まで立てることができれば、セミハンマーのような形状であるため、エッジグリップはしっかりとしてくれます。
以前に3世代目のバルシップがセミハンマーと書きましたが、実際はラウンドボード(ノーズとテールが丸い形状)に近い乗り味でした。
板を立てても有効エッジが長くならない仕様のため、セミハンマーの特性は感じにくく、ラウンドボードに近い乗り味と考えた方が良いかもしれません。
なお、3世代目のバルシップはウエストが太くなったことからも、切り替えが少々もたつくような印象もあります。
また、板のフレックスは2世代目より少し柔らかくなったようにも感じ、操作性も2世代目の方が良いように感じます。
総評としては、素直な乗り味が好きな方は「2世代目」、板を立ててエッジグリップを感じたいのであれば「3世代目」という印象です。
周りの意見もお聞きしますと、2世代目のバルシップの方が張りもあり、滑りやすいと考えられるでしょう。
ちなみに4世代目は、2世代目と同じものに戻すという話を耳にしています。
カービングメインの板と比べるとバルシップはどうなの?
カービングターンをメインに考えられている板と比べた場合のバルシップの性能については、正直ハッキリとは伝えられません。
と言いますのも、冬と夏で滑走状況がそもそも違うからです。
また、私自身ピスラボで国産の板を加工して滑ったことがありません。
今後、板を加工して性能の違いがハッキリと分かれば、その際は詳細をお伝えしていきます。
ここでは、冬と夏とで違いますが、私が感じている違いをお伝えしていきます。
比較する板
冬も板によっても性能の違いを感じるかと思いますが、ここでは「BC-stream」の「S」という板で比較して考えてみます。
そもそも「S」がどのような板かということをお伝えしていきます。
国産の板であり、オガサカの「CT」とよく比較されるオールラウンドボードです。
形状は、ラウンドボードであり、前後に動くことで板を走らせることができます。
そして、トーションも使えるように設計されているため、操作性も良い板です。
総合的に性能を簡単に言いますと、自身でポジションを変えるように動くことができれば走る板です。
Sとバルシップの性能の違い
それでは、「Sの159cm」と「3世代目バルシップ158cm」を比較した感想をお伝えします。
簡単にお伝えしますと、やはりSに軍配が上がる印象です。
Sの方が板が走り、レスポンシブルに動いてくれます。
バルシップは、立てることができればグリップ力はSよりも強く感じるかもしれませんが、板のたわみ方が少々硬いと言いますか、たわんでいくのが遅い印象です。
話が二転三転してしますが印象が違いましたので、改めて感じた内容を記します。
3世代目のバルシップは、板が軟らかく反発が弱い印象です。
そのため、たわみはしますが、その分の板の返りがありません。
このことからも自身で板を促進させるようにしないと走りが見えにくい印象です。
これらから考えて、Sの方が「たわみ」「反発」「動かしやすさ」が良いかと思います。
ただ、これはあくまで冬と夏の感覚を比較して考えたときのイメージです。
そもそも、ピスラボと雪上では感覚が異なります。
バルシップはピスラボでは、しっかりと安定しますし曲がるので、ピスラボで滑る分には十分に楽しめる板です。
ピスラボでもカービングメインの板が乗れる?
ピスラボであってもカービングターンをメインにしている板に乗ることはできます。
その方法とは、MGCというソールにステンレスを貼る方法を行うことです。
MACK SPORTS BARとて、ステンレスに張り替えてもらうことができます。
このMACK SPORTS BARの他にも、「スポーツショップ ZERO」や「ホワイトゾーン」などでも行っています。
ソールをステンレス加工することで、普通の板であってもピスラボで損傷することなく滑ることができます。
ただ、ステンレスを貼るため、通常のスペックよりも多少硬くなるという話も聞きます。
と言っても、ピスラボで滑る分には問題ないよう範囲だと思います。
このようにソールをステンレス加工することで、使い慣れた板でピスラボを滑られるので、より普段に近い感覚で滑ることができるでしょう。
カービングメインの板は、バルシップよりもサイドカーブの大きいものが多いかと思いますので、外力をしっかりと得られるかと思います。
そのため、反発やたわみを活用することができるはずです。
冬と同じとは言えませんが、余っている板があるようでしたら、ステンレス加工をしてみてはいかがでしょうか。
2020度のバルシップの予定 ※2019/8/23更新
※ここの章は2020年時点の話です。
2021年には新しいモデルが出ています。
次の章で説明しています。
とあるところから得た情報ですが、状況元は、「アルペン・スポーツデポ」の方から聞いた情報とのことです。
内容はバルシップの在庫状況です。
なんと、2019年度のバルシップの在庫が無くなり、受注販売もしていないという情報をいただきました。
また、この時期としては速報となりますが、2020年度のバルシップについても教えていただきました。
来期は、現行モデルの前の方の「ラウンドボード」に戻る予定とのことです。
硬さは、現行の水色よりも少し固めではありますが、ラウンドボードになってしまうところが少々残念な感じですね。
3世代目の方がウエストが太かった分、細くなることが残念ではありますが、張りがある2世代目の方が評価が良いようですので、良かったという声もお聞きします。
現行モデルよりも少し硬いので、どの方にもおすすめできます。
来期のバルシップの購入も検討してみてはいかがでしょうか。
2021年以降に新型のBALSIP TCが発売していた!?※2022年更新
実は、2021年から新型のBALSIP TCが発売されていました。
2022年もBALSIP TCの予約を受け付けしているようです。
いつまでできるかは分かりませんが…。
なお、一般発売はされておらず、ネット販売などはされていません。
では、どのようにして購入するのか、と言うと…
JSBAデモンストレーターの田口瑞樹さんのInstagramを見てもらうといいかと思います。
直接連絡をしてもらえれば詳細が分かり、予約もできるかと思われます。
この投稿をInstagramで見る
※2022/5/8時点の投稿です。
なお、新型のBALSIP TCはカービング中上級者をターゲットに作られているようで、形状はハンマーヘッドになっています。
昨年に使っている方に商品の感想を聞くと、Grayのデスペラードのような乗り味のようです。
2021年のは、シンタードトップシートが採用されていました。
カービングするなら、しっかりと頼れる上にグリップも強いので、ピスラボでカービングするなら最高の相棒となってくれることでしょう。
更に、もう一つこの新型BALSIP TCの良いところを挙げるとすれば、【エッジの幅を出来るだけ太いものを使っている】ということですね。
ピスラボでは、板のエッジを研磨する回数が多くなるので、とてもありがたいところと言えるでしょう。
古いモデルと比べて本格的なカービング性能を体感できる上にエッジの幅が太いので、サマーゲレンデでの練習が捗りそうですね。
なお、2022年はシンタードトップシートの他にABSトップシートも選択可能になったようです。
どちらとも乗り味も異なり、シンタードトップシートは張り付き感が強く、しっかりとした乗り味だと思われますね。
ABSトップシートは、軽快に板の反発や動きを使いやすく作られているので、どのように滑りたいか、自分の滑りとの相性で判断してみるといいかもしれませんね。
気になる方は、早めに田口瑞樹さんのInstagramをフォローしていただき、DMにて確認してみてください。
まとめ
バルシップの性能について考えていきました。
私自身、バルシップに乗ってピスラボを滑っていますが、最初は不満はほぼありませんでした。
と言いますのも、最初はピスラボを滑るので精一杯だったからです。
しかし、ピスラボにも慣れてくると少々物足りなさを感じ始めています。
やはり、カービングメインの板をステンレス加工した方が、普段に近い感覚でかつ、たわみや反力を感じやすいと思います。
今後MGCの板についての情報が手に入ったり、私自身が加工して滑る機会がありましたら、その情報を記していきます。
なお、私自身は体験していませんが、知人が板を加工して滑った感想を教えてくれました。
その内容を下記の記事にまとめていますので、気になる方は読んでみてください。
また、古いタイプのBALSIPは仕入れることができないかもしれませんが、新型BALSIPであれば予約購入もできるかもしれませんよ!
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