今回は、私が考える一つのベーシックカーブロングの動き方をまとめます。
今回の方法が全てではありませんが、「谷回り」「沈み込み荷重による板のカーブ」「立ち上がり抜重」を比較的体感しやすい方法にてお伝えします。
ベーシックカーブロングの沈み込み荷重に関しては、思っている以上に早めのタイミングで動くことがポイントです。
なお、まずベーシックカーブをするにも、スノーボードにおける角付け(体軸の移動)はとても大切です。
今回お伝えする、ベーシックカーブロングの動き方に関しては、カービングターンの基本を押さえていることが条件となります。
角付けの仕方に関しては、下記の記事に取り上げていますので、カービングターンの基礎滑走能力も上げておきましょう。
それでは、プレターンも含めたターン全体の構成となりますので、まずはプレターンについて触れていきます。
ベーシックカーブロングのプレターン
プレターンはターン全体の印象を大きく左右する?
スノーボードのバッジテストや検定で、ベーシックカーブロングをする際に必要になる「プレターン」。
プレターンとは、スタートから1ターン目に入る前の「半ターン」のことです。
一般的には、直滑降からの半ターンです。
※直滑降でなく、斜滑降からでも問題ないという話もあります。
このプレターンでポイントとなるのは、検定員から見て、
「プレターンだということがハッキリとわかること」
です。
スノーボードのバッジテストや検定では、ターン数が決まっているため、検定員が下から見てハッキリとプレターンだとわかる必要があるということです。
プレターンは、受験者のスタートであるため、検定員はしっかりと確認しています。
と言うことは、このプレターンが検定員の印象を大きく左右する場所とも言えるのです。
曖昧なプレターンだと、検定員の印象は良くありません。
逆にプレターンからしっかりとターンができれば、検定員はしっかりと滑りを見定めようとするため、印象が良くなる傾向にあります。
プレターンは山回りの動きを行うべし
プレターンは半ターンとお伝えしましたが、「山回り」です。
言い方を変えますと、「ターン後半」です。
そのため、ターン後半の動きをしっかりと行うことが重要になります。
ここで、ベーシックカーブロングの動きを考えてみましょう。
ターン後半に行われるのは、沈み込みの運動ですよね。
そして、沈み込みの運動は、完全にストロークが完了している(脚部が曲がり切っている)状態です。
と言うことで、「ストロークをしてから、ターンに入る」ことが重要となります。
実際に動きを考えていきましょう。
▼イメージGIF
このようにベーシックカーブロングのターン後半の動きに合わせるために、事前に沈み込み荷重の準備してからターンに入ります。
なお、人によってはスタートのときから、しゃがみ切っている状態を作る、という方もいるかと思います。
この方法でも問題はないでしょう
あくまで、プレターン(半ターン)ですので、ターンで行うべき動きに合わせることが大切です。
ベーシックカーブロングの沈み込みのタイミングをおさらい
ここでは、軽くベーシックカーブロングの沈み込み荷重のタイミングについておさらいしておきます。
「沈み込み荷重」自体については、以前の記事に細かく説明していますので、下記の記事をお読みください。
沈み込み荷重は、外力で板をたわませることがポイントになってきます。
そのため、沈み込み荷重は「外力の強くなるところで、脚部を曲げきったポジションを作っておく」ということが必要になります。
実際に曲げ始めるタイミングについて、考えていきましょう。
タイミングの考え方自体は、以前の記事に書いていますので、まだ読んでいない方は読んでみてください。
このときの記事は、「JSBAの教程本」に書いているものを参考にしました。
しかし、実際には「もっと早めに動くことが大切」だと考えています。
理由は、求めているのは「脚部を曲げきっていること」だからです。
時間で言う、「4時」の外力が強まるところでは、すでに脚部を曲げきって姿勢をキープしていることになります。
このタイミングに遅れないようにするためにも、それよりも先に「脚部を曲げ切った姿勢」を作っておくことが大切と言えるでしょう。
時間にして、3時の段階では曲げきっている姿勢が作れていると良いでしょう。
その後、時間にして、4~5時まではしっかりと沈み込みした状態をキープして、5時のタイミングで立ち上がり抜重を行っていきます。
なお、立ち上がり抜重の基本的な考えは、下記の記事に記載しています。
まだ読んでいない方は、ぜひこちらも目を通していただくことをおすすめします。
ベーシックカーブロングのプレターンから次のターンへの体の動かし方
それでは、実際にスノーボードでベーシックカーブロングをするときの動き方をまとめていきます。
ベーシックカーブロングのプレターンからです。
プレターンからトゥサイドへ
プレターンからヒールサイドへ
ベーシックカーブロングのトゥサイドターンの体の動かし方
それでは、プレターンからトゥサイドターンに入ったときのことを考えていきましょう。
ベーシックカーブロングのヒールサイドターンの体の動かし方
次は、ベーシックカーブロングのプレターン、もしくはトゥサイドターンからの体の動かし方です。
腰部による体軸の傾きと前脚のひざのローテーションで角付けと体の傾きを作る(少しストロークし始める)
ベーシックカーブロングの全体像
先程分割してお伝えしたベーシックカーブロングの動き方をまとめたGIFのイメージを下記に記します。
▼ベーシックカーブロングのイメージGIF
なお、ベーシックカーブロングの動きにある、「沈み込み荷重のストローク」や「立ち上がり抜重の動き」については、別の記事に細かく動き方について書いていますので、認識を深めるために読んでおくことをおすすめします。
ベーシックカーブロングをする際の注意点
動きを極端に速くしないこと
ベーシックカーブロングをする際に、頭に入れておいていただきたいことがあります。
それは、「動きを極端に速くしないこと」です。
こちらは、スピードの「速さ」です。
「速く傾く」
「速くストロークする」
「速く立ち上がる」
このように速く動くことで板がズレたり、叩かれたりなどしてしまう可能性があります。
※人によってはゆっくり過ぎることもあるので、この場合は逆に速く動く意識をしないといけない人も、中にはいます。
この速く動かなくてはいけなくなる理由は様々ありますが、良くない例としては、「動き出しが遅い」ことにあります。
もし、速く動くことをしている方は、「早め(タイミング)に動き出す」ことを意識することで、ロングターンの場合は無理に速く動かなくても済みやすいです。
このように、早めに動き出す意識を持つようにすることをおすすめします。
ただし、動ける量を増やす練習も必要です。
そのため、練習をするときは、極端に「速く」「大きく」動く練習をすることはとても重要なことですので、全てにおいて速く動くこと悪い、ということではありません。
この点は、間違えないようにお願いします。
人によって適切なアドバイスは異なる
まず、お伝えすることとしては、今回の方法が全てというわけではない、ということです。
あくまで一つの方法です。
また、人によっては、今回取り上げた方法が逆効果になってしまうこともあります。
例えば、
「もともとの滑りが、トゥサイドで必要以上に外向している方」
です。
このような方に、さらに外向する意識を持たせてしまうと、逆に板がズレてしまうこともあります。
その場合は、逆に板に同調させるためにローテーションをする必要があったりもします。
このように、人のクセによってもアドバイスが変わるところが本音です。
自身のクセを知る方法は、
「スノーボードスクールを受講する」
「スノーボードのキャンプに参加する」
という方法です。
スノーボードスクールへの受講は、クセに合わせたアドバイスがもらえるので、ぜひおすすめします。
また、スノーボードのキャンプに関しては、実力のある方々が行っており、人によっては「効率の良い動き」や「板への力の働きかけ方」など、他では知ることのできない情報なども教えてもらえるかもしれません。
まとめ
今回は、前回までに取り上げていたベーシックカーブロングの動き方をまとめました。
この記事では取り上げていないポイントも、以前までの記事に書いていますので、まだ読んでいない方はぜひ読んでみてください。
また、今回の方法は一つの方法です。
今回取り上げたやり方に慣れたら、トゥサイドで目線を横に向いたままターンに入る必要はなくなってきます。
逆に次のターンピークを常に意識して、早めに次のターンピークに目線を向ける意識を持つ場合ももちろんあります。
「谷回り」「沈み込み荷重による板のカーブ」「立ち上がり抜重」を比較的体感しやすい方法としてお伝えしていますので、今回の方法に限らず、色んな方法を試してみると今後の技術レベルアップに繋がると思いますよ。
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