ベーシックカーブショートの運動、「脚部による上下動」はロングターンのときに比べてコンパクトにする必要があります。
このコンパクトにするという根本的な考えに関しては、前回の記事に私なりの考えを書いていますので、まずは下記の記事を読んでおくことをおすすめします。
そして、今回は私が考える、「ベーシックカーブショートのやり方」をお伝えしていきます。
なお、ポイントは、沈み込みのストロークとエッジングのタイミングを合わせるのがカギだと考えています。
このポイントも踏まえて説明していきます。
※今回も2軸の動きをベースに考えていきます。
ベーシックカーブショートの沈み込みのストローク時に板が寝ないようにする
まずは、ベーシックカーブショートの沈み込みのストロークをするときの注意点についてお伝えしていきます。
沈み込みのストロークをする際に注意しておくべきことは、板が寝ないよう気をつけることです。
ショートターンは、ロングターンに比べて下に落下していく種目です。
そのため、スピードが上がりやすい種目と言えるでしょう。
検定でのショートターンは、この速くなるスピードをコントロールしながら滑るのがポイントになります。
そして、カービングのショートターンです。
そのため、「エッジング」を使って板に抵抗を加えつつ、コントロールすることが必要になります。
エッジングをして減速する原理としては、「抵抗を加えることで板を曲がり横方向に移動させる」、もしくは「スノーボードにおけるブレーキの要素を使う」などが一般的です。
このように、エッジングを駆使して、スピードコントロールしていくのが重要な要素になります。
そして、このエッジングのときに沈み込みのストロークが完了しておくことが重要になってきます。
基本的にエッジングは板に抵抗を加える動作であるため、角付けが強まった状態になります。
と言うことは、ストロークをしつつも角付けが弱まらないことがポイントということです。
仮にストロークをした際に板が寝てしまうと、外力が強まるタイミングで板に抵抗を加えきれないため、ズレやガガガっと叩かれるなどの状態を引き起こしやすいのです。
それでは、板を寝かせないようにストロークすることを考えていきましょう。
ベーシックカーブショートの沈み込みのストロークのやり方
まず、基本的には以前までにお伝えしたベーシックの動きを基準にしています。
下記のストロークに関する記事も参考になるかと思いますので、目を通しておくことをおすすめします。
また、今回はショートターンですので、短い時間で力を加えることを考え、意図的に重心を雪面側に落とすような意識も必要になります。
重心を雪面側に移動させる理由は、「ストロークした際に重心が支持基底面上から外れないようにするため」です。
この支持基底面と重心に関しては、下記のポジションの記事にて説明しているため、よろしければ読んでみてください。
それでは、本題に入っていきます。
ヒールサイドの沈み込みのストロークのやり方
ベーシックカーブショートをする際のヒールサイドの沈み込みのストロークのやり方についてお伝えしていきます。
▼ヒールサイドの沈み込みのストロークイメージ
※板方向のストロークではなく、雪面側も意識したエッジ付近側に腰を落とす
上記の方法は、ストロークする方向を板方向ではなく、エッジ付近側にすることで、重心を少なからず雪面方向に動かしています。
このように重心を雪面方向に動かすことで角付けが強まり、エッジングができるという考えです。
極端に速く(スピード)動くのではなく、早め(タイミング)の行動で、滑らかに角付けと荷重を行っていきましょう。
トゥサイドの沈み込みのストロークのやり方
次は、トゥサイドの沈み込みのストロークのやり方です。
▼トゥサイドの沈み込みのストロークイメージ
※前脚よりも、後ろ脚の曲げを強めることで後ろに乗りやすくなる
(後ろひざの方を前脚よりも強めに下げる)
トゥサイドでは、ひざを雪面側に近づけるようにすることで板が立ちますので、ストロークの方向は板方向(エッジ付近側)に行っていきます。
このようにひざによる雪面へのアプローチとストロークで、重心の位置を板の上(支持基底面上)に乗せます。
ヒールサイドとトゥサイドどちらにも言えることですが、板がズレたり、バタバタと叩かれたりする場合は、
「ターン後半で重心が前足側にあるため、テールがズレてしまう」
「速く動きすぎることにより、雪面の雪の壁を壊してしまう」
などの可能性もあります。
ミスをしてしまう方は、「沈み込みのストロークをする際の動き方」「重心の位置」「動き出しのタイミング」などを考えてみると上手くいくかもしれませんよ。
ベーシックカーブショートの立ち上がりのやり方
ベーシックの立ち上がりの考えに関しては、冒頭の概要欄に貼り付けた「ショートターンはロングターンと同じ動きなのか?違う動きなのか?」の記事にて動きに関する考え方を書いています。
そのため、重心移動の方向に関する考えは割愛します。
それでは、早速立ち上がりのやり方について書いていきます。
ヒールサイドの立ち上がりのやり方
※板の進行方向とフォールラインの中間辺りを目指して重心を移動していく意識
トゥサイドの立ち上がりのやり方
※板の進行方向とフォールラインの中間辺りを目指して重心を移動していく意識
▼足首の曲げ方イメージ(ブーツをつぶす)
ベーシックカーブショートのプレターンのやり方
ベーシックカーブショートのプレターンは、リズムを意識していくこと考えると、次のターン以降も動きやすくなりやすいです。
▼プレターンのイメージ
ベーシックカーブショートのやり方まとめ
※板の進行方向とフォールラインの中間辺りを目指して重心を移動していく意識
※板の進行方向とフォールラインの中間辺りを目指して重心を移動していく意識
※板方向のストロークではなく、雪面側も意識したエッジ付近側に腰を落とす
まとめ
今回は、ベーシックカーブショートのやり方に注目しました。
このやり方が正解というわけではなく、あくまで一つのやり方です。
セッティングが前に大きく振っている場合は、この方法が合わない可能性もあるかと思います。
もし、前振りにしている方は、ストロークする際にテール側にする方法もあるので、試してみると良いかと思います。
また、今回にご紹介した方法を試す際に上手くいかないこともあるでしょう。
理由は、細かな「角付けの量」「ストロークのタイミング」「ストロークの方向」「重心の移動方向」などの調整が必要なことがあるからです。
上手くいかないときは、「早め(タイミング)の動き出しの意識」や「ターン中の重心の位置(ポジション)」などを考えると上手くいくかもしれません。
また、ベーシックのショートターンに関しては、ヒールサイドで脚部のストロークが見えにくいこともありますので、ヒールサイドは特に脚部のストロークができると良いでしょう。
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