これまでのSP-UNITED(エスピーユナイテッド)の記事で、セッティングが大事と何度も口酸っぱくお伝えしてきました。
しかし、このセッティングが曲者…。
パーツが多くある上に、他とは違うパーツで一癖も二癖もあって、ちょっと難しいです。
そこで今回はSP-UNITEDのセッティングを取り上げていきます。
まず第一弾は、【各パーツの調整方法】です。
セッティングをするためには、まずは調整するためのパーツのことを知らないと上手くできません。
更には、ドライバーのサイズも気をつける必要があります。
ということで今回は、SP-UNITEDのバインディングをバラして、調整パーツの紹介と基本的な調整方法をお伝えします。
※この記事では全てのパーツをバラして説明していますが、セッティング時は必要な箇所のみ調整すれば問題ありません。
SP-UNITEDのバインディングを分解
今回使用するアイテムは、MOUNTAIN(マウンテン)というモデルです。
22-23 SP UNITED MOUNTAIN MULTIENTRY
MOUNTAINについて知りたい方は下記の記事が参考になります。
また、SP-UNITEDの基本構造がわからない方は下記の記事をご覧ください。
まずは、SP-UNITEDのバインディングを分解してみます。
ざっと画像で見ただけでも沢山のパーツがありますね。
これらの調整パーツを一つ一つ説明をしていきます。
なお、調整時に使用するドライバーは場所によって太さが異なります。
使うドライバーは2本。
中太サイズの2番と太サイズの3番です。
トゥストラップアジャスターのパーツ説明と取り付け・調整方法
トゥストラップアジャスターのパーツ説明
スタンダードタイプとマルチエントリータイプがあります。
取り付け・調整方法
※使用するドライバーは3番(太いサイズ)です。
※ブーツのセンタリングとフィッティングに関係してくる部分です。
ブーツが小さい方、またはカカト寄りにセンタリングをしたい方は後ろ側の穴を選択。
ブーツが大きい方、またはつま先寄りにセンタリングがしたい方は前側の穴を選択。
なお、一番後ろの穴は、メスネジを固定するために使う穴なため、選択できません。
なお、前側の穴に取り付ける場合、コネクトパーツとベースプレートの穴の形が合いません。
前側の穴へ取り付ける際、コネクトパーツの六角形の形が変形してしまう可能性があります。
それでも取り付けることは可能です。
ご理解の上、セッティングしてください。
※マルチエントリーは、コネクトパーツが無いだけで取り付け方は同じです。
トゥストラップの取り付け・調整方法
トゥストラップは、スタンダードタイプとマルチエントリータイプで付け方が異なります。
※ブーツのホールド具合に関係してきます。
スタンダードタイプの取り付け・調整方法
マルチエントリータイプの取り付け・調整方法
※本来はアジャスターを通す生地があるのですが、破けてしまったので代わりに結束バンドで補強してます…
※ラチェットは上部を押すことでロックできます。
内側のアンクルストラップアジャスターのパーツ説明と取り付け・調整方法
内側のアンクルストラップアジャスターのパーツ説明
取り付け・調整方法
※使用するドライバーは3番(太いサイズ)です。
※アンクルストラップの位置のみだけではなく、ハイバックの位置にも関係してきます。
センタリングとフィッティングに影響が出ます。
3点の爪が合わないとネジ同士が噛み合いません。
ここで一度合わせておくと良いでしょう。
なお、噛み合わせる際に知っておくと便利なポイントは、【メスネジ側のくぼみを上向き】にし、【コネクトパーツ側の突起を下向き】にして組み合わせると上手くハマります。
ブーツが大きい方、またはカカト寄りのセンタリングをしたい方は後ろ側の穴を選択
ブーツが小さい方、またはつま先寄りのセンタリングがしたい方は前側の穴を選択
その中間が真ん中の穴を選択
樹脂ワッシャーの突起は、ベースプレートの前後の空いている穴にハメて取り付けます。
メスネジのメモリ用のくぼみが上にくるようにしてください。
①で爪を噛み合わせたように合わせます。
ポイントは、【ハイバックを垂直に立てて】【コネクトパーツの「小さな突起のしるし」を下に向けて】組み合わせると合います。
外側のアンクルストラップアジャスターのパーツ説明と取り付け・調整方法
外側アンクルストラップアジャスターのパーツ説明
取り付け・調整方法
※使用するドライバーは3番(太いサイズ)です。
※アンクルストラップの位置のみだけではなく、ハイバックの位置にも関係してきます。
センタリングとフィッティングに影響が出ます。
3つの爪が合わないとネジ同士が噛み合いません。
ここで一度合わせておきしょう。
緩める理由は、ハイバックとアルミヒールカップを動かしやすくするためです。
ネジを強く固定していると、取り付けが大変です。
樹脂ワッシャーの突起は、穴の前後どちらか好きな方にハメましょう。
メスネジのメモリ用のくぼみが上にくるようにしてください。
バックル用コネクトパーツの「小さい突起のしるし」をアジャスターの下に来るようにして組み合わせます。
①で爪を噛み合わせたように合わせましょう。
ポイントは、【ハイバックを垂直に立てて】【バックル用コネクトパーツの「小さな突起のしるし」を下に向けて】組み合わせると合います。
アンクルストラップの取り付け・調整方法
※ブーツのホールド具合に関係してきます。
※取り付け方は、スタンダードタイプとマルチエントリータイプでバックルとラチェットが反対になるだけです。
スタンダードタイプを基準に説明します。
ワイヤーのパーツ説明と取り付け・調整方法
ワイヤーのパーツ説明
取り付け・調整方法
※使用するドライバーは2番(中サイズ)です。
※ワイヤーのテンションが変わるため、ハイバックのフォワードリーンに影響してくる部分です。
後ろ側の穴に取り付ける緩くなり、
前側の穴取り付けるとキツくテンションがかかります。
一番後ろの穴はメスネジ固定用の穴のため、選択できません。
メスネジの角度は、少し斜めにします。
ベースプレートのサイドウォールに対して垂直で、縦向きに付けると良いです。
ハイバックに関係するパーツの取り付け・調整方法
ハイバックの位置の微調整
※使用するドライバーは3番(太いサイズ)です。
※ハイバックの微調整やローテーションに関係してきます。
メスネジの位置を軸にして、ハイバックを前後に動かすことができます。
これによりハイバックをカカト寄り、もしくはつま先寄りに変えることができます。
※反対側も同様に微調整できます。
フォワードリーン調整方法
※ハイバックの傾斜に関係してきます。
好きな位置に調整してください。
フォワードリーンアジャスターの交換
※基本的にはやらないところです。
もしもフォワードリーンアジャスターが破損して交換する際に参考にしてください。
ワイヤーの取り外し、取り付けは先程細かく説明しているため割愛します。
最後に
今回は調整パーツの説明と基本的な調整方法をお伝えしました。
今回の記事を見てもらうと分かりますが、比較的パーツが多く、中には難癖があるものもありました。
実際にSP-UNITEDのバインディングをお持ちの方は、難しく感じるかもしれませんが実際にイジってみてください。
触ってみないことには、セッティングができないままになってしまいます。
ぜひ今回の記事を参考に調整をチャレンジしてみてください。
次回の記事では、基本的なセッティングのやり方をお伝えします。
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