スノーボードの用具の中でも一番と言っても良いほど、重要なブーツ。
このスノーボードのブーツには大きく分けて3つの種類が存在します。
ブーツ選びは慎重に行っていただきたいので、購入する前にスノーボードブーツのことを知っておくことをおすすめします。
そこで、満足いくスノーボードのブーツを購入するためにスノーボードブーツの種類、メリットとデメリット、選び方までお伝えしていきます。
快適にスノーボードを楽しむために納得の買い物をしましょう!
なお、この記事では、紐タイプのブーツの特徴も紹介しますが最近は販売されていないため、読み飛ばしても問題はございません。
スノーボードブーツの種類は主に3つ
まずは、スノーボードブーツの選び方に間違いがないように、3つの種類について知っていきましょう。
・BOAシステム
・紐タイプ
この3つの種類の特徴と違いについて触れていきます。
クイックレース
クイックレースは、細い紐で締め上げ、結ばずに引っ張り上げるだけで履くことができるブーツです。
クイックレースは、別のメーカーではスピードレースとも呼ばれることがあります。
このクイックレースの特徴はなんと言っても、紐を引き上げるだけで締め上げることができるところです。
引き上げた紐を固定用のプラスチックパーツにて留めるだけで緩みません。
他の2つのタイプの良いとこ取りしている印象です。
最近では、中、上級モデルではこのタイプがとても多くなってきています。
このタイプが出てきてから紐タイプから移った人も多いでしょう。
BOAシステム
BOAシステムは、ダイヤル一つで着脱ができるシステムです。
初心者用のブーツに採用されることが多くなったシステムです。
最近では、「ダブルBOA」や「トリプルBOA」などの種類も出てきて、初心者用だけではなく上級者にも使われるブーツにも採用されるようになりました。
このように改良を重ねていることから、BOAシステムはまだ進化の途中でもあるシステムと言えるでしょう。
着脱のシンプルさで言えば、このBOAシステムが一番なのではないでしょうか。
ただ、着脱の早さはクイックレースの方が、慣れている方は早いでしょう。
紐タイプ
紐タイプは、ブーツの根源とも言えるタイプです。
そのため、約十年数年前までは、普及していたタイプです。
また、今でもこの紐タイプを利用する方も少なからずいます。
ただ、メーカーの扱いとしては本当に少なくなっているのが現状です。
それだけクイックレースやBOAシステムが人気を集めており、普及率も高いと言えます。
紐タイプはなんと言ってもなじみのある紐が特徴です。
スノーボードブーツの紐に関しては少々分厚く、通常の靴よりも紐は太いです。
その分、多少の伸びがあるため適度な遊びがあり、フィットするのです。
ただ、紐を結ぶのが少々面倒とも言え、初心者はちゃんと結ぶことができないこともあります。
レンタル品はまだこの紐タイプが多くあります。
種類別スノーボードブーツのメリット
スノーボードブーツの種類を知ったところで、それぞれの種類別にメリットとデメリットを知っていきましょう。
ここでは、メリットを取り上げていきます。
クイックレースのメリット
・紐の締め加減の調節がしやすい
・紐が緩んでもすぐに締め上げができる
着脱は慣れれば一番早いでしょう。
B0Aも早く着脱できますが、ダイヤルを回すよりも紐を引っ張ったほうが早いです。
また、紐の締め加減は、足の甲の「ローアー」とスネの前にある「アッパー」で紐の締め分けができるものが大半のため、紐タイプほどではないですが調整はしやすいです。
また、紐が緩んでも紐を引っ張るだけなので、すぐに締め上げることができます。
BOAシステムのメリット
・ワイヤーが伸びづらい
・半永久保障
・緩めても紐がブーツから出ない
やはりダイヤルを回すだけというところは、初心者にとって履きやすいので、メリットと言えるでしょう。
また、BOAシステムはワイヤーを採用されていることが多く、ワイヤー自体が紐よりも延びづらいため、ダイヤル自体が壊れなければ緩みにくいのもメリットです。
そして、なんと言ってもこのBOAシステムは、半永久的に保障されているというところがすごいところですね。
ただ、保障されるのは、ダイヤルやワイヤーといったパーツだけですので、直すのは自身で行う必要があります。
場合によっては、購入店で修理してもらえることもあるかもしれませんので、壊れた場合は購入店に相談してみてもいいでしょう。
また、ブーツを緩めたときに、紐やワイヤーがブーツからはみ出さないこともメリットと言えます。
歩いているときに紐に引っかかることがないので、安心して歩くことができます。
紐タイプのメリット
・痛みが出づらい
・ブーツがなじみやすい
紐タイプは、他の2つに比べてマニュアル的な要素があります。
その分、紐の調整が全箇所でできます。
そして、加減ができるということは足の形にも合わせて調整ができるため、足の痛みも出づらいです。
マニュアルだからこそのメリットがここにあるでしょう。
また、紐タイプのブーツはブーツ自体を硬くしすぎないこともあり、足になじみやすい傾向にあります。
種類別スノーボードブーツのデメリット
スノーボードブーツはメリットの方が多い傾向にありますが、それでもそれぞれを比較するとデメリットもあるものです。
細かなところですが、デメリットもお伝えしていきましょう。
クイックレースのデメリット
・固定具が割れることがある
紐の締め上げ箇所の順番に関しては、通常の紐靴を例にしてご説明します。
通常の紐靴の「一番上の紐」を左右で引っ張り締め上げた、とします。
一番上の紐はしっかりと締まりますが、つま先側の紐は締め加減が弱いかと思います。
この現象と同じことが言えるのです。
紐が通っている場所が遠ければ遠いほど、締め加減は弱くなるということです。
バートンのブーツであれば、「足首」が一番締まるようにできています。
そして、「つま先の先端」と「スネ側」に近づくにつれ、徐々に締め加減が弱くなります。
このように締め加減は、場所によって多少異なりますが、正直言って締め加減に不満がある方は少ないでしょう。
紐が細いこともあり、とてもしっかりと締まります。
ただ、全ての箇所を自身の望むように調節することは難しいとは言えます。
もし全ての箇所を自身で調節したいのであれば、「紐タイプ」の選択になるでしょう。
また、固定具の破損に関しては、プラスチックパーツのためしょうがないところと言えるでしょう。
経年劣化や、過度な力のかかり方をしてしまった場合は固定具が割れてしまうことも当然あります。
ただ、この固定具の故障は、滑走日数が多い方でなければほぼならないと言えるほど、基本的には故障しづらいです。
BOAシステムのデメリット
・フィット感の調整がしづらい
・ダイヤルが故障することがある
BOAシステムのデメリットも細かなところです。
調整がしづらいところに関しては、クイックレースと同じで締め上げる順番が決まっているというものです。
その上、ワイヤーはほとんど伸びがないため、ブーツのフィット加減は調節しづらいです、
そして、初心者モデルに多いシングルBOAは、スネのダイヤルのところを基点に締め上げるため、足首やローアーが少々締まりづらいようには思います。
ただ、中、上級モデルのダブルBOAなどは、クイックレースのようにローアーとアッパーを分けて締められるので、デメリットが少ないものもあります。
また、ダイヤルは壊れることがありますが、それは長年使用している方や使用頻度が多い方、使い方でブーツへの負荷が多い方が対象になります。
基本的にはすぐに壊れることは少ないでしょう。
紐タイプのデメリット
・ちゃんと締めることができなければ緩い傾向にある
・緩みやすい
まずは履くのが面倒というところです。
このタイプで慣れていれば、面倒ということも感じないかもしれませんが、慣れていない方はやはり結ぶのが面倒に感じることでしょう。
また、ちゃんと結ぶことができなければブーツは緩くなってしまいます。
女性の場合は、男性より力がないことから、しっかりと締め上げることが難しいです。
そのため、他の2つのタイプから選ぶことをおすすめします。
また、緩みやすいところに関しては、履き方が関わってきます。
そして、紐も伸びがしやすいことから、気づいたら紐が緩んで最悪の場合、紐が解けていることもあるでしょう。
初心者は他の2つのタイプをおすすめします。
スノーボードブーツの種類の選び方
それでは、実際にスノーボードブーツを購入する際にどの種類のブーツがいいのかをお伝えしていきます。
ずばり、おすすめは「クイックレース」か「ダブルBOA」です。
その理由は、どちらも近年で完成度が高くなり、フィット感が良くなってきていることにあります。
なお、BOAシステムの場合は、低グレードにはシングルBOAを採用している場合が多いです。
シングルBOAは、紐の締め分けができないため、スノーボードに慣れて技術が身についてきたときにちょっと物足りない感が出てきてしまいやすいです。
今では、中、上級者まで扱うブーツのラインナップにはクイックレースやダブルBOAタイプが多いため、どのタイプを購入するのかを悩んでいる方はこの2タイプをおすすめします。
なお、今のブーツには熱整形という技術も使われているものがあります。
熱整形とは、熱を使って足型に整形することです。
熱整形と言えば、ディーラックスというメーカーが有名で、インナーブーツに定評がありますね。
熱成形は、様々な足の形にフィットするようにできているため、多くのユーザーからフィット感が良いという声を耳にします。
※この熱成形は、ディーラックスのみではなく今では多くのメーカーが行っています。
他にも低温サーモ(熱整形)という形で、体温で整形されるタイプのブーツもあります。
多くのメーカーの上位モデルに採用されていますね。
こういった低温サーモのブーツは、1日1日で足の形が変わる中で毎回その足に合わせて整形されるので履き心地は結構良いです。
足型を取りたいのか、毎回馴染ませて使いたい中で好みで選んでも良いかもですね。
なお、1シーズンにスノーボードに行く回数が少ない方で1シーズンに5回未満の方は、シングルBOAもいいでしょう。
回数も行き、技術的にも磨きをかけたい方は、クイックレースやダブルボアから選ぶことをおすすめします。
購入時に満足するスノーボードブーツの選び方
それでは、実際にスノーボードブーツを購入する際に満足する選び方をお伝えしていきましょう。
購入する場所
購入する場所は、スノーボードショップがおすすめです。
都内であれば神田市にあるショップがおすすめです。
専門のスタッフがいるため、悩んだ場合は相談することができます。
用意するもの
実際にブーツを試着する際には、できるだけスノーボードに行くときの環境に近い方が良いです。
足の実寸を計測してもらう
専門店や多くのスポーツ量販店では、足のサイズを測定してもらえます。
足の実寸は思っているよりも小さいことが多く、スノーボードのブーツは実寸を元に選びます。
足の横幅・甲の高さ
足の形は様々です。
特に横幅や足の甲の高さなどに違いが出ることがあります。
そのため、実寸を元に選んでも、ブーツのモデルによっては足に合わないこともあります。
最近では、アジアンフィットという日本人の足型向けに合わせたモデルもあるため、一度履いて見ても良いでしょう。
また、モデルによっては、熱成形という足型に合わせて型を作れるモデルも存在します。
足型に特徴のある型は、思い切って熱成形ができるモデルをおすすめします。
ブーツの試着方法
2.インナーとアウターを締める
上記のようにかかとを地面に叩きつけて、かかとをしっかりとブーツに密着させます。
その上で、ブーツを締めてみてください。
このときにつま先の状態と足のフィット感を感じてみましょう。
つま先が伸びきっていて軽く触れる程度であり、窮屈でなければ問題はないでしょう。
もし、指が曲がっているようなら、サイズは小さいです。
そして、横幅や足の甲がしっかりと合っているのかを感じてみてください。
窮屈で痛い場合は、足が合っていない可能性があります。
ただし、スノーボードブーツはある程度は硬めにできています。
そのため、痛みがなく、若干窮屈な範囲のものは適正範囲とも言えます。
試着したら動く・かかとの浮きや足の痛み
試着した後は、実際に「歩いたり」「飛んだり」など動いてみましょう。
動いて痛みが出る場合は、滑走中にも痛みが出る可能性があります。
特に足首を曲げる動きは、試していただきたいところです。
スネをブーツのアッパー部(タン)に当てながらひざを曲げていきます。
このときにかかとに浮きが出ないかも確認してみましょう。
できることなら数分は動いてみてほしいところです。
また、ブーツが硬すぎて足首が曲がらない場合もあります。
何度か足首の曲げを試して、靴が馴染みそうであれば問題ないでしょう。
スノーボードのブーツ自体は硬いものですので、曲がらないのではなく、曲がりづらい程度であれば正常です。
スノーボードブーツの進化
ここまでスノーボードブーツの種類や選び方についてお伝えしましたが、まだ細かなことをお伝えしますと様々なブーツのタイプが出ています。
そこで、スノーボードブーツの進化についてもお伝えします。
スノーボードブーツの種類として大きく3つの種類をお伝えしましたが、混合タイプも存在します。
例えば、「BOAシステムとクイックレース」の混合です。
BOAを足首だけに採用して、ブーツ全体はクイックレースで締め上げるタイプがあります。
このタイプは硬いハイエンドモデルに採用されています。
足首をBOAシステムのワイヤーを採用することで、駆動するところのフィット感を向上させる効果があります。
それぞれの良いところを採用しています。
そして、「ボアの種類」も増えてきており、今ではワイヤーだけではなく、クイックレースの紐と同じようなものを採用しているブーツもあります。
このようにBOAシステムはまだまだ進化の兆しを感じさせます。
今後、BOAシステムは利便性と実用性を向上させて、より普及していく可能性があると言えるでしょう。
満足のいくスノーボードブーツを購入しよう!
スノーボードブーツは、数万円の買い物です。
決して安い買い物とは言えないでしょう。
そのため、自身の足にあった快適なものを選んでいただきたく思います。
初めて購入する方は、まず自身がどの程度スノーボードするのかを考えてみると良いでしょう。
その上でBOAシステムかクイックレースを選ぶことをおすすめします。
そして、購入する際には試着して足にあったものを購入しましょう。
快適に感じなければ、スノーボードが楽しめないですよ。
失敗しないように、今回ご紹介したスノーボードブーツの選び方を実践してみてください!
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