JSBAのスノーボードバッジテスト1級の合格を目指す方は、すでに2級に受かっているはずですので、基本的な検定の注意点などは知っていることでしょう。
ただ、細かなポイントまでは知らない方もいるかと思います。
まだ下記の2級受験における検定のポイントに関する記事を読んでいない方は、ぜひ読んでおくことをおすすめします。
なお、細かなポイントだけではなく、種目ごとのポイントも書いていますよ。
また、バッジテストに合格しやすくするためには、着眼点を理解しておくことがポイントになってきます。
そこで、今回はバッジテスト1級の着眼点について書いていきます。
JSBA バッジテスト1級の種目と着眼点
JSBAのバッジテスト1級を受ける方の多くは、種目を把握しているはずかと思いますが、念のためおさらいしておきましょう。
種目は、
「ベーシックカーブショート」
「フリーライディング」
この3種目です。
2級のときと2種目は同じであり、変わるのはベーシックカーブショートのみです。
それでは、着眼点はどうでしょうか。
こちらも種目と同様に2種目は同じです。
そして、ベーシックカーブショートのみカービングターンショートと異なる着眼点となっています。
▼ベーシックカーブショートの着眼点
・安定したスピードのコントロール
・タイミングの合った上下運動
・左右均等なターン弧
異なると言っても、「タイミングの合った上下運動」のみが、1級と異なり、他の3つはカービングターンショートと同じ着眼点です。
しかし、他の種目も同様ですが、着眼点が同じと言っても、検定員の目は2級のときよりも技術力の高さを審査していきます。
そのため、当然2級レベルの滑りのままでは、合格は難しいということです。
基本的な種目の違いもありますが、滑走技術も上げる必要があると言えるでしょう。
JSBA バッジテスト1級のロングターンの着眼点
JSBAのバッジテスト1級の種目である「ベーシックカーブロング」と「フリーライディング」の2つの種目の着眼点は先ほどお伝えしたとおり、2級のときと同じです。
また、ショートターンに関しても同じ着眼点があります。
2級の着眼点については、以前の記事で記述しているため、ここでは割愛させていただきます。
まだ読んでいない方、忘れてしまった方は下記の記事を読んでいただけますと幸いです。
ただ、着眼点は同じであっても見ている滑走技術の違いについては異なりますので、この点について触れておきましょう。
まずは、ベーシックカーブロングです。
先程お伝えしたとおり、基本的な着眼点はバッジテスト2級と同じです。
・スムーズで適切な上下運動
・適切なポジショニング
・左右均等なズレの少ないターン弧
ただし、2級と1級では、滑走技術の違いを求められます。
滑走技術の違いとは、「上下運動を伴いつつ、カービングターンの質が高いこと」です。
2級では、ある程度の上下運動ができており、ズレが大きくとも点数が出ることがあるでしょう。
しかし、1級ともなりますと「カービングターンの技術の質」自体を求められますので、当然2級のときよりもキレを求められるのです。
ここで間違えないでほしいのは、「ズレない」ことが重要なのではなく、「ズレが少ないこと」が重要ということです。
基本的にはカービングターンは微量にズレを伴っており、ズレないターン自体はインストラクター実技試験であっても求められていません。
あくまで不必要な場所で大きなズレが起きないように、適切なポジションでカービングターンができていることがポイントになります。
この「カービングターンのキレが良く、かつ左右均等なターン弧ができるだけ作れて、適切な運動表現ができているのか」、が重要になってくるのです。
以前にベーシックカーブロングに関する記事を書いていますので、そちらにやり方をまとめています。
やり方は下記の記事を読んでいただけますと幸いです。
上記の記事で紹介していますが、ベーシックカーブロングの沈み込みのストロークは、早め(タイミング)に行っていくことがポイントになります。
早めにストロークを行うことで、「上下動」をする時間を長く作れるため、しっかりとした運動を見せやすいです。
また、早めにストロークすることで、外力(遠心力など)が強まるタイミングでしっかりと耐えられる姿勢(沈み切った姿勢)が作りやすいのです。
このように早めのストロークをすることで、「上下動」をしっかりと見せやすく、且つ適切な運動表現を見せやすくなると言えるでしょう。
また、ストローク時のポジションもテールがズレないように後ろ重心のポジションが取れていると、ターン後半でズレが少なく、しっかりと板が回ってきやすいです。
これで、ターン後半にキレが出てくるので、カービングターンの質の良さも表現できるでしょう。
ただし、ターン後半が良くても、ターン前半でテールをズラす動作が大きく見えてしまうと、マイナスポイントが大きいです。
基本的に谷回り(ターン前半)では、適量の角付けができる重心移動をすることがポイントになります。
このように、ターン前半からしっかりとカービングターンをしつつ、ストロークを適切に行うことができたうえで、左右均等にターンができると、合格点が出やすいでしょう。
JSBA バッジテスト1級のフリーライディングの着眼点
次は、JSBAのバッジテスト1級のフリーライディングの着眼点です。
こちらもバッジテスト2級と同じで、
・流れの良い運動と滑走
・複数の滑走技術を食い合わせた演技構成
です。
上記の着眼点に関する見方に関しては、2級と基本的に同じと言えるでしょう。
それでは、2級と1級の違いはどのような点にあるのでしょうか。
正直、2級と1級ではそこまで大きな違いはないと考えています。
運動要素を必要としないため、持てる滑走技術を基に自由に減速要素が少なすぎなければ点数が出やすいと言えるでしょう。
ただ、合格に近づくためのポイントもありますので、その点についてお伝えしていきます。
当然1級ともなりますと、滑走技術のレベルの高さを求めたいところでもあります。
そのため、「スピード感」「安定感」「ターンのキレ」などがしっかりと表現できると合格点が出やすくなります。
複合させた滑走技術(ショートターンやロングターンなどを混ぜた構成)で滑る際に、「繋ぎが良く、斜度や雪面の状況に合わせて滑れているのか」「様々なターンをするうえでスピード感があり、安定感があるのか」を基準に見られやすいでしょう。
ここで勘違いしやすいのが、「スピード感」です。
ただ、下に滑走するのが速ければ良いわけではありません。
ターンをしている中で、減速し過ぎず、ある程度のキレがあることがポイントです。
ただ速いだけでは、暴走しているだけに見られることがありますので、しっかりとターン弧(半円を描くような弧)を作って滑るように意識していきましょう。
このようにスピード感があり、安定したポジションで滑ることができれば、点数は出やすいです。
また、斜度変化のある環境の場合は、その斜度に合った滑走技術を選択ができると点数も出やすいでしょう。
斜度変化のある地形に多いのは、スタート地点から中盤までが少し斜度があり、中盤からゴールにかけて斜度が緩くなるバーンです。
▼斜度変化のコースイメージ
ゴール地点に止まれることを考えていますので、後半に斜度がきつくなるようなバーンはそこまで多くないでしょう。
このような途中から斜度が緩くなる斜度変化がある場合は、自身の技術力と相談して、コントロールできつつも最大限の滑走ができると思える選択をするのが良いでしょう。
例えば、ある程度スピードに強い方であるなら、
↓
ロングターンにして1~2ターン
↓
スピード感のあるショートターンでゴールエリアへ
という構成でも良いでしょう。
反対にスピードが出しづらい方は、
↓
ショートターンにしてゴールエリアまで
という構成や、
↓
ロングターンにして1、2ターン
↓
スピード感のあるショートターンでゴールエリアへ
という構成もありでしょう。
また、得意不得意の種目次第でも考えは変わります。
必ずしもショートターンを最後にする必要はありませんので、ロングターンやミドルターンが得意であるなら最後に持ってくるのもありでしょう。
上記のは、あくまで一例ですので、自身の滑走技術と相談して、後半に減速を強調するのではなく、上からゴールに向かってある程度スピードを出していくような構成が印象が良いと言えるでしょう。
JSBA バッジテスト1級のショートターンの着眼点
JSBAのバッジテスト1級のショートターン種目は、着眼点は2級のカービングターンショートと近いものがありますが、そもそも種目自体が異なります。
「ベーシックカーブショート」ですので、カービング要素のあるショートターンをしつつ、上下動が必要になります。
そのため、着眼点には「タイミングの合った上下運動」が含まれています。
この「上下運動」と、その他の「雪面グリップ」「スピードコントロール」のことを考えたベーシックカーブショートのやり方に関しては、下記の記事にまとめています。
ストロークを伴ったエッジングで、雪面グリップとスピードコントロールを考えた動きとなっていますので、まだ読んでいない方はぜひ読んでみてください。
上記の3つの着眼点の他には、あと「左右均等なターン弧」の着眼点がありますが、リズムを意識して滑ると均等に滑りやすいです。
このリズムの作り方は様々ありますが、簡単なものとしては、ストロークの動きに合わせたリズムの作り方です。
以前に紹介したベーシックカーブショートの動きにタイミングを合わせるとするなら、数字をカウントする方法などがあります。
その一例をご紹介していきましょう。
ここでお伝えするカウントの仕方は、「12、」と「12」のリズムでカウントする方法です。
このカウントを「立ち上がりの切り替え」と「沈み込み」の動きに合わせていきます。
ちなみに「12、12、」のカウントは、
・沈み込み完了=「2」
・立ち上がり=「、」
と、三拍子(123)の一定のリズムのイメージです。
「3」まで数えてしまうと、リズムが遅くなりすぎる可能性があるので、「123」ではなく「12、」のカウントとしています。
「12」のカウントは、
・立ち上がり=「2」
と、「い~ち、にっ」と1が長く、2が短いイメージです。
上記の方法が正解ではないので、自身に合うカウントの仕方を模索するのも良いでしょう。
まとめ
今回のJSBAのバッジテスト1級の合格を目指すために着眼点について考えました。
基本的には、以前に書いたバッジテスト2級の着眼点ついての内容がベースとなります。
そこにカービングターンの技術力の質が伴っているのか、を見ているため、当然2級のときよりも厳しくなってくるというわけです。
もう一度簡単にまとめますと、
適切なタイミングで上下動ができており、カービングターンのキレが良くなるポジションでいること。
それに伴い、左右均等なターン弧を作る。
適切なタイミングで上下動をしつつ、確実な雪面グリップをして、スピードコントロールができていること。
それに伴い、左右均等なターン弧を作る(リズムが良いと尚良い)。
ショートターンやロングターンなど複合滑走をしつつ、スピード感とターンのキレ、安定感のあるライディング。
斜面状況に合わせた技術の選択ができると尚良い。
上記のポイントを押さえられると、合格に近づけることでしょう。
あとは、滑走技術が合格基準に到達しているかです。
運動や着眼点を理解して練習すれば、合格しやすくなると考えていますので、合格できるよう頑張ってください。
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