前回の記事ではSP-UNITEDのセッティング第一弾ということで、各パーツの調整方法をそれぞれ細かく説明してきました。
今回はセッティング第二弾として、基本的なセッティング方法を取り上げていきます。
SP-UNITEDは本当にセッティングがかなり大事です!
にも関わらず、セッティングができない方、調整しきれていない方が多くいるように思います。
こういった方々にSP-UNITEDのバインディングのセッティングを少しでも頑張ってもらいたい一心で記事を作りました。
ぜひ、この機会にセッティングを試して性能を発揮してみてみてください。
なお、あくまでスノボ学としての基本なので、他では違う考えがあるかもしれません。
また、SP-UNITEDの構造を知らない方は下記の記事からご覧ください。
一般的な方法
今回もSP-UNITEDのMOUNTAIN(マウンテン)というモデルを使って説明していきます。
22-23 SP UNITED MOUNTAIN MULTIENTRY
MOUNTAINについて知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
まずは、SP-UNITEDのセッティングとして一番簡単な方法をお伝えします。
これが公式でも取り上げられているSP-UNITEDのセッティングです。
ただ、これだと実は不十分だったりします。
もちろん、この方法で上手くセッティングができれば問題ありません。
しかし、完璧にセッティングさせることができないケースのほうが多いかと思います…。
ちゃんとハイバックやワイヤーの位置を調整してこそ、真に性能を発揮できます。
セッティングで性能を発揮するための6つのポイント
ここでは、セッティングをして性能を発揮するための重要な6つのポイントを説明します。
以下のことに注意してください。
◯適切なバインディングのサイズを選ぶ
◯トゥストラップをしっかりとフィットさせる
◯ヒールカップに遊びを作らない
◯ブーツとハイバックに大きな隙間ができていない
◯ワイヤーが緩くない
◯アンクルストラップアジャスターのバックルを忘れずに締める
上記のポイントを押さえることで性能を発揮できます。
コレらをもう少し詳しく説明していきましょう。
適切なバインディングのサイズを選ぶ
メーカーのバインディングのサイズチャートは下記の画像の通りです。
画像引用:USP japan WEB SITE
なお、「Mサイズ」と「Lサイズ」は、パーツ自体は一緒です。
ハイバックとワイヤーの位置を内側につけるとMサイズ
ハイバックとワイヤーの位置を外側につけるとLサイズ
とのことです。
「Sサイズ」に関しては、パーツサイズがMサイズよりも小さいです。
パーツサイズは、「Sサイズ」と「M・Lサイズ」で分けられていると考えていいしょう。
なお、バインディングのサイズはサイズチャート通りで考えてもらうのが適正かと思います。
際どいサイズの選択に関しては、好みの問題で、
筆者の個人的な感想としては、剛性の強さを抜きに考えて、
できるだけサイズはコンパクトにしたほうがフィット感が良い
と考えてます。
特にSP-UNITEDは。
Sサイズは26cmのブーツは入りますし、サイズが小さければ26.5cmでも行けるとも考えています。
筆者は、CROSSFIVE(現在はFLUX)のブーツで26.5cmにSサイズを使っていたことがありますから。
と言っても、ブーツサイズに関してはメーカーによっても異なりますので、あくまで自己責任での判断でお願いします。
もし気になるようなら、知り合いや店舗にお願いしてSサイズにブーツを合わせてみると良いでしょう。
その際には調整する必要はありますので、あしからず。
トゥストラップをしっかりとフィットさせる
SP-UNITEDのバインディングは、【前後方向の締め上げ】がかなり重要です。
トゥストラップを触ってみて、どのくらいフィットしているかを確認してみましょう。
トゥストラップが大きく動かせるようなら、前後のフィットが緩いかもしれません。
※トゥストラップが緩いときのイメージGIF
緩ければ、トゥストラップの位置を更にキツくするか、ヒールカップの位置を調整してみましょう。
なお、少しの緩さは出ます。
ヒールカップに遊びを作らない
ヒールカップにできる限り遊びを作らないようにしましょう。
遊びとは、隙間があることでブーツが動いてしまうことです。
※ヒールカップの遊びでブーツが動くイメージGIF
上記のGIFは少し大袈裟ですが、隙間があるとブーツが動きます。
ブーツのカカトが動いてしまうと、つま先側に体重を乗せたときにもカカトが浮くことがあります。
※セッティングが緩くてカカトが浮くイメージGIF
カカト浮きを防ぐためにも、ヒールカップは隙間なく、しっかりとフィットさせましょう。
ブーツとハイバックに大きな隙間ができていない
ハイバックが後ろに大きく倒れて隙間ができることがあります。
ちゃんとセッティングできていない例です。
前後のフィットを気にし過ぎて、ヒールカップをキツく装着させ過ぎた例ですね。
これだと、ヒールカップが本来上がる位置まで上がっていません。
また、ヒールカップが適切な角度に装着されていません。
そのため、ヒールカップのホールドも悪くなり、適切に力が掛かりづらくなっています。
ブーツとハイバックの隙間が過度にできないように注意しましょう。
なお、多少の隙間であれば問題ありません。
ハイバックの頂上に多少隙間ができていても、ハイバックの真ん中あたりまでがしっかりとブーツと接していればOKです。
この状態でハイバックのフィット感が緩ければ、ワイヤーの位置やフォワードリーンの調整で対応できます。
ワイヤーが緩くない
ワイヤーにテンションが掛かることがとても重要です。
ハイバックを起こした状態でワイヤーが緩い場合は、テンションが弱い可能性があります。
※ワイヤーのテンションが弱いイメージGIF
キツくし過ぎると脱着が大変になりますが、緩過ぎるとブーツの動きに合わせてヒールカップが動いてしまいます。
※ワイヤーが緩くてヒールカップが動くイメージGIF
これを防ぐためにもワイヤーにしっかりとテンションが掛かるようにしてください。
なお、ワイヤーの留める位置は左右で、前側の穴と後ろ側の穴をズラして取り付けても問題ありません。
アンクルストラップアジャスターのバックルを忘れずに締める
アンクルストラップアジャスターにはバックルが付いています。
バックルを締めないと、せっかくセッティングしても力が伝わりにくくなります。
装着時には忘れずにバックルを締めましょう。
なお、アンクルストラップをキツめにセッティングしてバックルを締めると、かなりのホールド感を感じることができます。
前後のみではなくて、上から押さえるようなホールドしてくれるのでかなりしっかりとフィットします。
ただし、アンクルストラップをキツめにセッティングすると脱着がしにくいのと、足が痛くなる可能性があります。
ホールドを取るか、脱着のしやすさを取るかは人それぞれ好みに分かれるところです。
SP-UNITEDの基本的なセッティング方法
基本的なセッティングをお伝えする前にお伝えすることがあります。
SP-UNITEDはネジ類のパーツが少し特殊です。
今回はパーツの説明を割愛しますが、前回の記事に詳しく書いているので、まずはこちらの記事をご確認しておいてください。
なお、25.5cmのブーツ(ノースウェーブのプロフェシー)にSサイズを組み合わせてセッティングしています。
1.ブーツをバインディングに装着
ブーツとバインディングを合わせて、先程の6つのポイントに沿ってフィットしているかを確認してください。
仮に全てクリアしていれば完了です。
反対に調整が必要な方は、下記にお進みください。
・ヒールカップがキツい、または緩い方は【2番】の章
・ハイバックのホールドがキツい、または緩い方は【3番】の章
・トゥストラップがキツい、または緩い方は【4番】の章
・アンクルストラップがキツい、または緩い方は【5番】の章
を参考にしてみてください。
2.ヒールカップ位置の調整
取り外す際に元々どの穴に付いていたのかを確認しておいてください。
ヒールカップが緩かった、もしくはブーツが小さい方は元々の位置より前側の穴
ヒールカップがキツかった、もしくはブーツが大きい方は元々の位置より後ろの穴
を選択してください。
ここでローテーションを入れたい場合は、取り付け位置を内側と外側でズラして取り付ければOKです。
このネジは、爪の噛み合わせに癖があるので、ちょっと苦戦するかもしれません。
ポイントは、ハイバックを垂直にして、バックル用コネクトネジの凹凸のしるしを下に向けることです。
ネジは取らずに緩めるだけOKです。
ハイバック根本が動けば大丈夫です。
調整したらネジで固定しないと位置がズレます。
ネジを固定してからハイバックのフィット感を確認してください。
ネジが緩いまま確認すると、ハイバックがズレてちゃんと確認できませんのでお気をつけください。
なお、実際に使用する際にブーツを履いて装着すると、ハイバックとヒールカップが緩かったりすることがありますので、少しキツめにセッティングすることをおすすめします。
また、ここでもローテーションの調整が可能です。
調整したければ、ハイバック根元の位置を「片方を前側に、もう片方を後ろ側に」ズラして取り付ければOKです。
3.ワイヤー位置の調整
ハイバックがちょっとだけ緩かった、またはちょっとだけキツかった方は片側だけ調整
ハイバックがかなり緩かった、またはかなりキツかった方は両側を調整
してください。
ワイヤーが緩かった(ハイバックが角度が緩い)方は真ん中の穴へ取り付け位置を変更
ワイヤーがキツかった(ハイバックの角度がキツい)方は前側の穴へ取り付け位置を変更
してください。
ハイバックのテンションを強めたいなら時計回り
ハイバックのテンションを弱めたいなら反時計回り
に回してください。
調整に関しては、好みです。
フォワードリーンでハイバックのテンションを調整しきれなければ、ワイヤーの取り付け位置を調整しましょう。
3.トゥストラップの調整
トゥストラップが緩かった、もしくはブーツが小さめの方は真ん中の穴
トゥストラップがキツかった、もしくはブーツが大きい方は前側の穴
を選択してください。
ストラップはブーツの真ん中に来るように調整しましょう。
5.アンクルストラップの調整
ラチェットの上部を押してロックしてください。
6.確認・完成
最後にブーツをバインディングに装着して確認しましょう。
序盤で説明した6つのポイントが全てクリアされていれば、セッティングが完成です。
しっかりとフィットさせたセッティングをすれば、他には無いSP-UNITED独自の極上のフィット感を体感できるかと思います。
最後に
SP-UNITEDバインディングのセッティングの6つのポイントと基本のセッティング法について書いてみました。
セッティングに関しては、正解はなくて人それぞれ気をつけるポイントは異なります。
今回はスノボ学の考えとして、セッティングをする上で重要なポイントを挙げてみました。
なお、基本のセッティングとしているだけあって、ここからアレンジすることはできます。
次回は筆者が行なっているセッティング方法をお伝えしましょう。
他では調べても出てこない情報をお伝えする予定です。
コメント
SP-bindingを初めて購入して、セッティング①、②を参考にさせて頂いています。
続きをまだ発信されていませんが、今後情報発信される予定は有りますでしょうか。
ユッティーさん、コメントありがとうございます!
記事も読んでもらえてとても嬉しいです!
また、更新が行き届いておらず申し訳ありません。
SP-unitedの記事の続きは制作時の段階で続きを予定してましたが、途中で頓挫してしまいまして…
一応、どこかのタイミングで再度作ろうとは思っています!
期待していただいてるのにすぐに作れず申し訳ないですが、お待ちしていただけると助かります。