スノーボードのプレートの効果は知っていても、
「本当に変化はあるの?」
と疑問に思っている方もいることでしょう。
そこで、今回はT-plate japan様のフリースタイルプレートを、丸沼高原スキー場のサマーゲレンデにて実際に乗り比べて動画にしてみました!
試乗会などで新しいものを使うと、感覚的には良くも悪くも感じることはあるかと思います。
しかし、それってあくまで感覚的なもの。
客観的に見て変化が起こるのは、
物として本当に違いがあるとき
でないと、なかなか変化しないものですよね。
今回の動画比較では、似たもの同士に見えるアイテムの比較なので、動画で見て変化があるのか筆者自身心配でした。
さて、動画で見て視認できるほどの違いがあったのでしょうか?
ぜひ見比べてみてください。
※あくまで筆者の滑り方による効果で、感覚や感想は個人の見解です。
テスト時に使用したTプレートを紹介
今回使用したプレートは、T-plate japan様のフリースタイル用プレート3種類です。
・エグゼクティブプレート
・アドバンスドプレート
・クルージングプレート
これらのプレートを装着して乗り比べていきます。
これらのプレートの特性、性能に関しては以前の記事にて紹介しているので、細かく知りたい方は下記の記事を読んでみてください。
また、プレートの中に入れるカーボンロッド4本の太さを【3mm】と【4mm】で付け替えたパターンもテストしてみました。
もちろんプレート無しでも滑っています。
合計で7パターン。
なお、動画は全種類を比較することは難しいので、プレート無しと比較する形で紹介していきます。
プレート動画比較テスト時のコンディション
日付:2021/9/24
気温:彼岸後にも関わらず気温は高め
最高気温30℃越えの地域もある
天候:晴れ
バーン状況:11時〜14時の間の時間帯は気温が高くなり、日差しも強くなった為、ブラシの抵抗が強く滑走性が落ちる
混雑具合:空いている
滑走時の実力:7、8割程度
(丸沼高原スキー場のサマーゲレンデでの滑走のため、大きなミスを避けつつ、同一の滑走レベルにて比べるため)
エッジ状態:途中のエッジ研磨は一度のみで、4mmロッドに変えたタイミングで軽く研磨。
プレート滑走はそれぞれ2本づつ行っているため、後半に行くにつれて鈍角になっている。
テスト前に慣らしのために3本滑ってからテスト開始。
ベースとなる動画|プレート無しでの滑走
●テスト時に使用したボード
F2 Eliminator WC TITANAL 158cm
ハンマーヘッドボードのプレート使用率が多いということで、今回はハンマーヘッドボードを使用していきます。
■滑走動画
■感想
プレート無しでの滑走は、板の性能をそのままに乗ることができるので、板との一体感を感じやすいです。
ただ、良くも悪くも軽いですね。
丸沼高原スキー場のサマーゲレンデでは、板を立てて滑るとグリップが弱くなってズレやすいです。
そのため、プレート無しの動画を見ると、板が暴れないように慎重に乗っています。
振動があっても抑えるのに集中しているため、自分から板に圧を加える動きをしていないのが分かります。
なお、筆者は普段プレートを使用しているので、外したことでプレートの有り難みを改めて実感しました。
T-plate japanのプレート乗り比べテスト①エグゼクティブ+3mmロッド
●テストプレート
エグゼクティブプレート+3mmのカーボンロッド
■滑走動画
■感想
エグゼクティブプレートの特性は、エッジグリップと反発力と復元力を利用した切り替え時の俊敏さにあると思っています。
実際の滑走でも、ターン後半から切り替えへの動きが早くできました。
これは足元が安定するので、早めに動くアクションがしやすかったことがまず一つ。
乗り感の軽さと反発の良さで、そのアクションによる板のたわみと解放をアシストしてくれるので板が走り、切り替えやすかったのも理由の一つと言えるでしょう。
これにより、【早いタイミングの動き出し】と【板の反発を効果的に使った走り】を実感しています。
動画で見ても、プレート無しのときよりも早いタイミングで動けて、かつ板も走ってくれていますね。
また、アクションをすることで、板に力が伝わるのでターンが深くなっています。
このように多くの効果がありますが、乗り手からの踏む動作や抜きの動作など働きかけが必要なプレートとも感じます。
働きかけができれば反発感を感じる反面、乗っているだけだとエグゼクティブプレートの効果を最大化しにくいです。
そのため、アクションを多く使った滑りで俊敏にターンをしたい方におすすめです。
また、操作性は良いので板を使いつつ踏み込む動きをされる、ラントリやショートターン系を得意とする方にもおすすめです。
T-plate japanのプレート乗り比べテスト②アドバンスド+3mmロッド
●テストプレート
アドバンスドプレート+3mmのカーボンロッド
■滑走動画
■感想
アドバンスドプレートの3mmカーボンロッドは、3種類のプレートの中で1番エッジグリップが強いです。
そのため、最高の安定性を感じました。
その分、どっしりとした滑りになりやすい傾向にあります。
しかし、このプレートを使って乗り込む動きができれば、ターン中における走りをアシストしてくれることでしょう。
実際に動画を見ると、ターン中の滑走性が良くなり、ターン中盤から後半にかけて伸びるようなスピード感を感じる動きをしています。
これは、プレートが安定感をアシストすることにより、外力をしっかりと受け止めることがしやすいからだと考えています。
外力を受け止めるということは、板への圧を溜め込むことになるので、深いターンを可能にします。
【外力を受け止めることで深いターンが可能】になり、【板への圧を逃さず走らせる】こともしやすくするのでしょう。
また、二代目になってから、ただ硬いのではなくしなやかさもあるため、良い意味で付けている感じがあまりしません。
そのため、難しく考えなくてもただ滑るだけで効果を体感しやすい、使いやすいプレートとなっています。
コスパに富んだプレートであり、特にどっしりしたターンが好みの方にはかなりおすすめです。
T-plate japanのプレート乗り比べテスト③クルージング+3mmロッド
●テストプレート
クルージングプレート+3mmのカーボンロッド
■滑走動画
■感想
正直なところ、強めの板にクルージングプレートと3mmカーボンロッドとの相性はあまり良くないように感じました。
と言いますのも、良くも悪くもドラグ防止効果だけのような感覚があるからです。
エッジグリップは多少は強くなります。
また、プレートが柔らか過ぎる分、力が吸収されてしてしまう感じもありました。
動画で見ても強いターンはできておらず、力が分散しているターンになっています。
プレート無しと比較しても、そこまで大きな差はないですね。
ただし、この柔らかさが【足元にくる負担を減らす衝撃吸収性】の効果をもたらしているのだと思います。
衝撃吸収性とドラグ防止してくれることから、ガッツリカービングよりも緩めのカービング、もしくはランを楽しむ方におすすめです。
また、板の特性を変えずにドラグ防止を目的にするなら良い組み合わせと言えるでしょう。
なお、後半に4mmのカーボンロッドと組み合わせているクルージングプレートのテストもあります。
こちらは3mmロッドとは全然違う感覚がありますので、ぜひ最後まで見てください。
T-plate japanのプレート乗り比べテスト④エグゼクティブ+4mmロッド
●テストプレート
エグゼクティブプレート+4mmのカーボンロッド
■滑走動画
■感想
ここからは4mmのカーボンロッドを組み合わせたテストです。
エグゼクティブプレートに4mmカーボンロッドを組み合わせると、どっしり感がアップし、反発力も数段上がる感じです。
その分、効果を最大化させるには、体重や身長がある方や板に乗れる技術がある程度必要かもしれません。
しかし、単にエッジグリップを高めたいならどのユーザー層でもかなりの効果を得られるかと思います。
3mmと比較すると、板に圧を加えた分、しっかりと返ってくるので切り替えでより走る感覚がありました。
動画で見ても、パワフルなカービングになっており、筆者のほうが板に乗り遅れてますね。
見てもわかる通り、【軽快に動くことをアシストする高反発性】と【ハイグリップと暴れた板を押さえる衝撃吸収性】が特徴のプレートです。
また、プレートがしなやかにたわむので板をたわませることができれば、阻害することなく深いカーブを描くことができます。
これらの特徴から力強く動ける方や、滑りに重さも軽快さもどちらも欲しい欲張りな方におすすめの組み合わせです。
T-plate japanのプレート乗り比べテスト⑤アドバンスド+4mmロッド
●テストプレート
アドバンスドプレート+4mmのカーボンロッド
■滑走動画
■感想
アドバンスドプレートと4mmカーボンロッドの組み合わせです。
こちらは筆者自身よく使うセットで気に入って使っています。
使っている理由は、筆者の身長178cm、体重70kg程度のため、足元をしっかりとさせたほうが身長の高さと体重による板への力が効果的に加わるからです。
力が加わることで、結果的に板がたわみ走ります。
乗り込む滑りをしているのも相まって、伸びるような走りをアシストしてくれています。
動画で見ても、上手く乗り込めたときにはターン中盤から後半にかけて板がスピードに乗っていくような動きをしているところがありますね。
4mmロッドにすることで、プレートに張りが出るので足元に安心感が出ます。
エッジグリップは今回のテストの中でどれよりも強いのが最大の特徴です。
このセットは、【ハイグリップによる安定感】と【外力を受け止めて伸びるように走らせる】ことをどのセットよりも体感させてくれます。
身長が高い方や体重のある方はこの組み合わせが良いかもしれません。
また、スピードに強くなりたい方や力強く乗り込む滑りをされる方におすすめです。
T-plate japanのプレート乗り比べテスト⑥クルージング+4mmロッド
●テストプレート
クルージングプレート+4mmのカーボンロッド
■滑走動画
■感想
クルージングプレートに4mmカーボンロッドの組み合わせです。
筆者自身、この組み合わせは結構好きです。
4mmのカーボンロッドの効果や足元の感覚を感じるのはこのセットが一番ですね。
クルージングはかなり柔らかいので、内部のカーボンロッドまで強くたわませることができます。
そのため、瞬発的なカーボンの跳ね返りを感じやすいのです。
動画で見ても、メタルの板にも関わらず、跳ねるような軽快な動きがありますね。
また、プレートが柔らかく衝撃吸収性もかなり良いのも相まって、張りのあるトランポリンのような感覚です。
板の性能をそのままに、【跳ね返るような動き】と【高い衝撃吸収性】を追加できる組み合わせでしょう。
軽快さと反発を楽しみたい方、体重が軽い人や脚力が強くない方に特におすすめです。
なお、クルージングプレートには3mmロッドのみの付属となりますので、この組み合わせをしたい方は【オプション品の4mmカーボンロッド】の購入が必要です。
■T-plate 製品販売ページ
クルージングプレートでカービングしようと考えている方は、ぜひ4mmのカーボンロッドを組み合わせてみてください。
ラントリ時の高さもアシストしてくれます。
単に楽しむときに使いたいならこれを選びます。
筆者一推しの組み合わせです。
カービングをするならプレートは付けるべきなのか?
プレートの乗り比べテストをして、効果の違いはわかりました。
それでは、
カービングを主軸にする人において、プレートを付けたほうがいいのか?
ここについて改めてお伝えします。
正直、好みの問題です。
プレートを付けなくとも滑ることはできますし、技術も磨けるかと思います。
プレート無しのほうが、重量自体はプレート装着時よりも軽いですしね。
しかし、今回動画で乗り比べテストして実際に自分の滑りを見ましたが、プレートには助けてもらっている部分はあります。
そして、プレートを付けた感覚があるからこそ、プレート無しでもそのスキルを応用できるようになっています。
結果、カービングターンが好きでガッツリ攻めた滑りがしたい方には、かなりおすすめします。
理由は、足元が安定するからこそガッツリ攻められるので、その補助を道具で補うのはアリだと思うからです。
また、プレートを装着することで、自分自身でバランスを取ることに集中し過ぎなくて良いため、乗り手の思うがままに体を動かしやすくなります。
よく、
「道具に頼ってる」
「プレートを使っているからその滑りになるよね」
「プレートに頼らずに技術を磨け」
などの話を耳にすることがありますが、道具は好きなものを使うのが良いかと思ってます。
実際、どんなに上手い人も
「自分の気に入った性能の良い道具を使ってる」
じゃないですか。
良い道具を選んでいる時点で道具に頼っているのは、同じことだと思います。
また、道具は使っていくことで、どのように使えばいいのかわかってくるので道具に頼っても良いでしょう。
特に歳をとってくると、体の負担も大きくなりますし、動かし辛くもなりますよね。
そこを道具で補填するのはなんの問題もない、ということです。
ただ、一つ誤解しないでいただきたいのは、「プレートを付けたほうが良い」と言っているわけではありません。
あくまで、「使いたい人は使ってみてください」ということです。
そして、T-plate japan様は、毎年各地のスキー場に社長自らわざわざ足を運んで試乗会を開催しています。
機会があれば、実際に手に取ってみて試乗してみるのが良いでしょう。
なお、技術次第でその効果の大小はあります。
全員に全く同じ効果や感覚があるわけではありません。
だからこそ道具を使いきれる技術を磨くのも一つの道と言えますね。
まとめ
プレートを乗り比べした動画を見て、どんな違いがあるのか筆者自身改めて分かりました。
皆さんの中にも、「プレートにはこんな効果があるよ!」と、あくまでその人の感覚を聞くことはあったかと思います。
しかし、「本当にそんな効果あるの?」と疑問に思われることも多かったのではないでしょうか?
そこで動画で違いが出るのかを、テストする決意をしたわけです。
テストするまでは正直、効果を視認するのは難しいんじゃないかと心配でした。
しかし、テストした結果、多少でも動画で違いを確認できたと思っています。
客観的に見て変化があるのは、ちゃんとした違いがあると証明したと言えますよね。
そして、プレートを使うも使わないも個人の自由。
あくまで好みの問題ですので、気になる方は試乗会などで一度手に取ってみてください。
なお、カーボンロッドやプレートの種類の選択は、雪質や身長、体重、技量によっても好みが変わります。
あくまで4mmロッドの効果が大きかったのは、筆者が身長と体重がそこそこにあるからです。
試乗される際には、4mmロッドが良いという先入観に囚われず、自分の好みのものを探してみてください。
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