2021-22シーズンにDRAKE(ドレイク)バインディングのFIFTY LTD(フィフティ リミテッド)をメインに使っていましたが、
他にもSUPERSPORT(スーパースポーツ)というモデルも使っていました。
主に使っていたのがサマーゲレンデですので、今回使うバインディングはボロボロです。
すみません…。
今回は、このDRAKEのSUPERSPORTの性能について筆者なりの見解を書いていきます。
今回の記事は、下記の方に特におすすめとなっています。
・レスポンスと自由度の両立したバインを探している方
・硬いハイバックが好みの方
・ホールド力の強いアンクルストラップしを装備したバインディングを探している方
・スタンスを広く取りたい方
なお、FIFTY LTDについての記事はこちらです。
FIFTY LTDとSUPERSPORTと比較した記事もあります。
どちらを購入するか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
それでは、SUPERSPORTの性能を解説していきます。
DRAKEバインディング SUPERSPORTの基本性能
まずは、DRAKEのSUPERSPORTの基本性能についてお伝えします。
ベースプレート
ベースプレートは数年前に改良されて新しくなったタイプのものが使われています。
ベースプレートは、樹脂パーツは硬さがありますが少しだけ左右にも動くようなルーズさもあります。
また、アルミ製のヒールカップが別々になっているため、前後に動かせます。
ベースパッドに関しては、カカト部のクッションは固定されており、中心部からつま先までを一つのパッドとして分離する構造です。
このベースパッドは厚みがあり、振動吸収により負担を軽減しながら適度に力を伝えてくれるよう考えられています。
そして、このSUPERSPORTにはRELOAD(リロード)というグラトリ向きのモデルのものよりも硬めのものを使っているようです。
触った感じはそこまで硬くはないですが、カービングでのレスポンスの良さを出してくれるんだと思われます。
更にベースパッドには外カントが付いているので脚への負担も少なく、内側に力を掛けやすくなっています。
アンクルストラップ
SUPERSPORTには、グランドマスターストラップが装備されています。
張りのある素材で広い範囲で押さえてくれるので、ホールド力はかなり良いです。
更に左右非対称にできているので、外側には強く、内側には多少動きやすくなっています。
この他にSUPERSPORTのアンクルアジャスターには、イージーエントリーシステムという外に開くようにスプリングパーツが付いています。
これにより着脱がしやすいです。
ハイバック
ハイバックは、人間工学に基づいて形を設計しているのだとかで左右非対称になっています。
心なしか少し後ろに反れている感じになっていますね。
この形状により、ふくらはぎへの圧迫感が軽減されています。
この他に注目すべきポイントは、なんと言ってもカーボンが配合されているところでしょう。
そのため、縦方向にはしっかりとした硬さがあります。
左右方向に関しても硬さはありますが、力を入れて捻ると適度に動きが出ますね。
また、フォワードリーンはツールレスで簡単に変えることができます。
前傾もしっかりと取ることができ、調節の幅もしっかりとあります。
DRAKEバインディングのSUPERSPORTを使った感想|高速ランとグラトリに最適
ここからは筆者が実際にDRAKEのSUPERSPORTを使った感想を書いていきます。
SUPERSPORTをメインに使っていたのは2021年のサマーゲレンデです。
DRAKEの中で初めて使ったモデルでもありますね。
総評
まず簡単な総評を書いていきます。
ハイスピードランを中心に弾き系のグラトリなどに向いているバインディングだと思います。
ベースパッドによる足元のルーズさもありつつも、ハイバックとアンクルストラップで前後のレスポンスの良さを発揮しています。
カービング時にはアンクルストラップがトゥサイドを、ハイバックがヒールサイドを補助してくれます。
また、ベースプレートの樹脂パーツの部分が少ないため、足下からの板のたわみを感じやすい気がします。
更にベースプレートの下側には薄めのクッションが搭載されているので、グラトリをする際の動きの良さにも影響がありそうです。
アンクルストラップの使い方は2パターン
DRAKEのSUPERSPORTに採用されているアンクルストラップがかなり調子良いです。
このアンクルストラップは、左右入れ替えることで2パターンの使い方ができます。
まず、パターン1。
レスポンスアップパターンです。
DRAKEのロゴが普通に読めればOK。
アッパー(スネ)側を外側に広く大きくホールドしてくれます。
これにより、トゥサイドへの反応が早くなります。
または、足先で板を立てる際にもレスポンスは良いです。
ただ、反応が良いが良過ぎて、硬いと感じる方もいるかもしれませんね。
ここは好みがあります。
次にもう1パターン。
フィットアップパターンです。
アンクルストラップを左右に付け替えて、DRAKEのロゴが反対になるように付けます。
この場合、ローワー(足の甲)側が広くなり、上から下へホールドしてくれます。
これにより、フィット感は良くなりますね。
更にアッパー側が低くなるので、足首が使いやすいです。
より自由度を出したい方や高速域でグラトリをやりたい方には、このパターンのほうが好みがかもしれません。
アンクルストラップの使い方次第で、フィーリングを変えられる優れものです。
アンクルストラップのスプリングパーツにより自由度アップ
DRAKEのSPORTSPORTのアンクルアジャスターには、外に開くスプリングパーツが付いています。
このスプリングパーツによって左右方向へ多少動きやすくなっています。
※GIF
そのため、アンクルストラップ自体が硬めでも制限される感じが薄れます。
なお、ブーツに装着するとGIFのようにここまで大きく動けるわけではありません。
ただ、動きやすさに関しては影響は少なからずあると考えてます。
また、着脱時にはアンクルストラップが外へ開くので、ストレスなく取り付けできます。
ここがSUPERSPORTより上位モデルのみしか搭載されていない機構ですね。
ストラップの位置調整パターンが多い
DRAKEのSUPERSPORTは、ストラップの位置調整のパターンが多くあります。
アンクルストラップ
まずは、アンクルストラップから解説します。
パターンは大きく3つ。
※穴の位置が見えるようにストラップを外して説明します。
これは、真横の位置にアンクルストラップを取り付けます。
なお、3つ位置それぞれで効果が異なります。
■ヒールカップに近い位置に取り付けるパターン
脚のスネ側(アッパー側)に取り付けることで、ホールド感を強化できます。
ホールド感が強化されることで左右や縦方向の反応が早くなります。
その反面、足首が固定されやすいので、足首の自由度が失われる傾向にあります。
■真ん中に取り付けるパターン
真ん中の位置は、一番オーソドックスなパターンです。
ホールド感と足首の自由度、どちらかに特化しているわけではありませんがバランス良く両立されています。
■ベースプレートに近い位置に取り付けるパターン
足の甲側(ローワー側)に取り付けることで、足首の自由度を上げることができます。
上下、前後、左右に動きたいならこのパターンが相性が良いかもしれません。
その反面、ホールドが弱くなる傾向にあります。
内ストラップ(アンクルアジャスター)より外ストラップ(アンクルラダー)のほうが上側にくるパターンです。
外側はホールドされ、内側は曲げたり膝を内側に入れやすいなど自由度が高いのが特徴。
取り付け位置が離れているほど効果は高いです。
外ストラップ(アンクルラダー)より内ストラップ(アンクルアジャスター)のほうが上側にくるパターンです。
内側がホールドされ、外側に脚を開きやすくするなど自由度が高いのが特徴。
取り付け位置が離れているほど効果は高いです。
トゥストラップ
次はトゥストラップです。
アンクルストラップ同様トゥストラップも取り付け位置を調整できます。
トゥストラップは、左右2ヶ所づつに穴が空いています。
このどちらの穴を通すかで、ストラップ位置を調整できます。
トゥストラップは、ブーツのフィット感に合わせて調整するのが良いかと思います。
内側に取り付ければ、ブーツの甲側に取り付けるのが相性が良いですし、
つま先側に取り付ければ、ブーツのつま先側に取り付けるのが相性が良いです。
斜めに付けるのはあまり実用性がないかもしれませんが、これも内側と外側でホールドの仕方が変わります。
このようにストラップの位置調整が豊富にあるのもSUPERSPORTの特徴です。
ベースパッドの外カントで無理なく乗れる
DRAKEのSUPERSPORTのベースパッドには、外カント(外側が高くなる傾斜)が付いています。
このカントにより、重心を少しでも前後に動かせばノーズやテール側に力を伝えやすいです。
また、負担なく自然に立てるようになるため、スタンスを広く取る方には特に良いですね。
ただ、内股気質の人の中には好まれない可能性もあります。
過剰に内側に膝が入ることで力をロスしてしまうこともあります。
この場合、スタンスを広く取るなどして調整する必要はありますね。
ベースパッドの厚さがドラグ緩和効果
DRAKEのSUPERSPORTのベースパッドは分厚いです。
これによりブーツの位置が多少高くなります。
ブーツの位置が高くなることで、トゥサイドでのドラグ緩和効果が見込めます。
また、テコの原理を考えると板へ伝わる力も多少強くなることも考えられます。
簡単に考えると、プレートのような効果ですね。
プレートの効果については過去の記事をどうぞ。
ベースプレートの樹脂パーツが薄くて少なめで動きやすい
ベースプレートは、ベースパッドやクッション部の割合が多く、樹脂パーツが薄い上にパーツ部が少なめになっています。
画像の赤い線で囲った白い部分がベースプレートの樹脂パーツで、黒いパーツはクッションですね。
この肉抜きベースプレートは、バートンのReflex的ほどではありませんが、板との一体感を感じやすいです。
ベースプレートの樹脂の少なさから、足元の力が直接板のたわみに直結しやすいように感じます。
また、ベースプレートの下にもクッションが付いています。
このクッションパーツがあるため、衝撃を感じにくく、更に動きやすさも確保されています。
また、この構造により、多少軽量化を図っているのかもしれませんね。
アルミのヒールカップがしっかりと力を伝える!
DRAKEのSUPERSPORTのヒールカップはアルミで出来ています。
ですので、カカト側へしっかりと力が伝わります。
更に、ハイバックからのパワーも逃さずに伝えてくれる感じもあります。
ヒールカップが動かせるのでコンパクトに!
ヒールカップを動かせるのでブーツのセンター出しがしやすいです。
「0と1」の2メモリ分動かせますね。
ただ、調節できる量は少ないです。
そのため、コンパクトにするにも限界があるでしょう。
ブーツサイズが小さいとセンター出しがしづらいのが難点です。
ハイバックは縦にはハイレスポンスで横には適度に動く
DRAKEのSUPERSPORTのハイバックは、カーボン配合のため硬めにできています。
しかし、ただ硬いというわけではなく、縦方向と横方向で硬さに違いがあります。
※GIF
手で力を入れて捻ると左右方向には適度に動きます。
しかし、縦方向に力を入れてもほぼ変形しません。
横方向には動きがありつつも縦方向にハイレスポンスに出来ているので、カービングはもちろん、高速域でのグラトリとも相性が良いですね。
ハイバックが思いの外ふくらはぎを圧迫し過ぎない
先程も書きましたが、DRAKEのSUPERSPORTのハイバックにはカーボンが配合されているので硬めに出来ています。
本来は、ハイバックが硬いとふくらはぎを圧迫して痛みが出やすいです。
しかし、このハイバックの形状のおかげか、ふくらはぎに当たる感じはありますが、押し込まれるというほど圧迫はされません。
画像はフォワードリーンを0の状態で装着していますが、ハイバックとふくらはぎの間には隙間があります。
普通に立ってるだけだと良い感じにフィットしていますが、ヒールサイドをするときにはハイバックをすぐ押せる形状になってますね。
DRAKEバインディング SUPERSPORTの気になるところ
気になるところは二つ。
厳密には四つありますが、そのうち二つはFIFTY LTDと同じことなので割愛します。
SUPERSPORT特有の気になるところを書きます。
ブーツが小さいとセンタリングが出しづらい
DRAKEのSUPERSPORTは、センタリングを出しにくいです。
Sサイズのバインディングで検証していきましょう。
ウエストが252mmの太さの板にアングル角を30度で、センターディスクのビスの位置をつま先側に最大に寄せて付けてみます。
これでもヒールカップの位置は板から少しはみ出ます。
この状態で、25.5cmのNorthwave(ノースウェーブ)のブーツをセットします。
このブーツのアウターサイズはそこそこ小さく、大きいというほどではありません。
このサイズならつま先は板の中にギリギリ収まらない程度です。
つま先側が収まってかかと側がはみ出るということは、25.5cmのブーツでは少しカカト側に寄ってしまうことになります。
最大つま先側に寄せているので、このセッティングではこれ以上つま先に寄せることはできません。
こうして考えると、センタリング調節には限界があります。
ヒールカップの固定力が弱い
2021-22モデルまでのSUPERSPORTは、ヒールカップを固定するのがネジではなく、固定具のみで留めてました。
そのため、固定力が弱くて手で思いっきり力を入れるとヒールカップがグラグラ動きます。
ということは、体重をかけるとよりグラつくということですよね。
これはレスポンスを遅くする原因になるので、カービングでハイレスポンスを求める方には不向きかもしれません。
ちなみに2022-23モデルからはネジで固定するようになるようです。
そのため、ここは改善されるかもしれないですね。
また、FIFTY LTDに関しては、ヒールカップを二本のネジで固定するのでしっかりと固定されます。
最後に
DRAKEのSUPERSPORTは、カーボン配合のハイバックと広くて強さのあるアンクルストラップで縦方向の反応が良いですね。
また、クッション部も多く、スプリングパーツのおかげで左右方向への可動もしやすいです。
低速域でのグラトリにはハイバックの硬さがネックに感じるかもしれませんが、カービングやラントリといった分野においてはバランス良く使えるバインだと感じました。
ただ、筆者個人の好みとしては、もう少しセンタリングが調整できると嬉しいところです。
なお、SUPERSPORTを購入した方やお持ちの方はおすすめのセッティング法の記事も書いています。
ぜひ参考にしてみてください。
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