皆さんは、バインディングのセッティングをしていますか?
実は、バインディングはセッティング次第でフィット感がかなり変わります。
今回は、カービングターンに特に適したDRAKEバインディングのお気に入りのセッティング法をお伝えします。
・ハイバックとのフィット感を上げたい!
・ストラップのフィット感を良くして可動域も確保したい!
・ラチェットのドラグを無くしたい!
なお、今回は、SUPERSPORT(スーパースポーツ)を使って説明します。
また、SUPERSPORTの性能や他モデルのFIFTY LTD(フィフティ リミテッド)の性能については、下記の記事で詳しく解説してます。
DRAKEバインディングを分解
まずはおすすめの方法をお伝えする前にセッティング関する基本をお伝えします。
DRAKEバインディングのSUPERSPORTを分解してみましょう。
ハイバックは、左右のアンクルストラップと一緒に固定します。
アンクルストラップ(アジャスターとラダー)は、根元にネジが内蔵されているためツールレスとなっており、ストラップ自体をクルクル回して固定、もしくは緩めることができます。
ストラップは、アジャスター側のツールレスのネジを回して付け外しが可能です。
ヒールカップは、ツールレスで固定具を使って位置調整します。
ベースパッドは、ベースプレートにツメが付いているので簡単に付け外しができます。
カカト部のクッションパーツはベースプレートに固定されています。
バインディングのセッティングの基本
ここでは、バインディングのセッティングの基本をお伝えします。
基本的に行うセッティングは、5つ。
・フォワードリーン
・アンクルストラップ調整
・トゥストラップ調整
・ベースプレートのガスペダルやヒールカップ調整
です。
ハイバックローテーション
ハイバックローテーションとは、ハイバックを左右に向きを調整することです。
SUPERSPORTの場合は、ハイバック根元のネジ留めの位置をズラすことでローテーションを入れることができます。
なお、ハイバックローテーションには様々な考えがあります。
【エッジとハイバックの向きを合わせるとヒールサイドで板を立てやすい】
【ローテーションを入れないほうがポジションが安定する】
【内側の可動域を良くするために両足とも外側にローテーションする】
など正解は人それぞれなところです。
フォワードリーン
フォワードリーンは、ハイバックの前傾角度のことです。
基本的には、ハイバックの背中側に付いているアジャスターパーツで角度を調整します。
なお、フォワードリーンをつけることでヒールサイド方向の板の立ちが早くなります。
その分、ふくらはぎを痛めやすかったり、動きにくくなったりもします。
アンクルストラップ調整
アンクルストラップ調整は、ストラップアジャスターのネジを緩めて位置を調節します。
基本的には、アンクルストラップがブーツの足首の中心に合うようにセッティングします。
トゥストラップ調整
トゥストラップは、つま先留めか、甲留めの2種類あります。
どちらに関しても、基本的にはストラップの位置がブーツの真ん中に来るようにセッティングします。
ベースプレートのヒールカップとベースパッドを調整
ベースプレートの調整は、ブーツとのフィッティングを良くします。
まずは、ヒールカップの調整。
メーカーによってヒールカップを動かせるものと動かせないものがあります。
SUPERSPORTの場合は、ベースプレートとヒールカップが別パーツとなっているため、「0」と「1」のメモリに合わせて位置を調整できます。
ブーツサイズが大きい方は「1」にセットし、ブーツサイズが小さい方は「0」にセットすることでブーツとバインディングをフィットさせることができます。
次に、ベースパッドやガスペダルでつま先の位置を調整します。
ブーツとベースパッドのつま先の位置を合わせてフィットさせます。
しっかりとブーツのつま先と合わせることで、トゥサイド方向へのアクション時に力をしっかりと伝えることができます。
DRAKEバインディングのおすすめセッティングの効果とは?
基本について説明したところで、ここからが本番です。
DRAKEバインディングのおすすめのセッティングについてお伝えします。
まずは、おすすめのセッティングをすることでどんな効果があるのかを書きましょう。
・トゥラチェットのドラグがしにくい
※ドラグ…板からはみ出したブーツやバインディングが板を立てたときに雪面に当たる現象
・フォワードリーンがオートで入る
・ブーツがコンパクトに収まる
・適度にハイバックローテーションが入る
・動きやすさとホールド力の両立が可能
この5つの効果を得られます。
特にハイバックのセッティングが大きな効果を生み出します。
通常、フォワードリーンを大きく入れるとヒールカップとハイバックに隙間ができます。
そのため、ブーツかつま先方向に押し出されて、コンパクトにできません。
ここを解消する方法を見つけました。
新セッティングでは、ハイバックが前傾してもヒールカップとハイバックの隙間がほとんど無くなります。
更に、今回のセッティングをすることで、ヒールカップにしっかりと力を伝えることができます。
その理由を説明しましょう。
まずは、通常の状態でフォワードリーンを大きく入れたとします。
すると、アジャスターパーツのみがヒールカップと接します。
ということは、力を伝える部分が真ん中一点になることが考えられます。
そのため、左右方向に力を加えたり、ハイバックを捻りながら力をかけた際に、力が伝わるまで微量にラグが出やすいと言えます。
そこを新セッティングでは、アジャスターを使わずにフォワードリーンを入れられて、ハイバック全体がヒールカップに密着します。
密着することで、どの方向から力をかけたとしても広い範囲で支えているので伝達が早いです。
隙間を無くしてコンパクトに、
フォワードリーンも付いて、
パワーもしっかりと伝わる。
ハイバックのセッティングだけでも、一石三鳥の効果が得られます。
DRAKEバインディングのおすすめセッティングのやり方①ベースプレートの調整
ベースプレートの調整をします。
ブーツのサイズや板に取り付けるアングル角によって好みが分かれるところですが、ここでは筆者のおすすめとして書きます。
ヒールカップは内側に入れて固定します。
ヒールカップがベースプレートに近ければ近いほど、反応は早くなります。
理由は、内部に入るメタル部が長いこと、ベースプレートとヒールカップの距離が近いからです。
内部のメタルが長ければ、その分ベースの剛性は上がります。
また、ベースプレートとヒールカップの距離が近いと力の伝達が早くなります。
この2点の効果で、反応は早くなると考えてます。
また、ヒールカップがコンパクトになるので、カカト側のドラグもしにくくなります。
ベースパッドは、できる範囲でブーツに合わせます。
その際に、板からベースパッドがはみ出ないことが一つのポイントです。
ブーツに合わせることばかり考えてしまうと、ドラグを考えずにセッティングしてしまうことがあります。
すると、板を立てた際にすぐにドラグしてしまいます。
ドラグすると、雪面からの抵抗を受けてバランスを崩しやすいのでできる限り避けたいところ。
そこで、ベースパッドを板の中に収まるようにしましょう。
ベースパッドを板の中に収めることで、ドラグが始まるタイミングを遅らせることができるので、板を立てる量を増やせるようになります。
なお、残念ながらブーツサイズが極端に大きい場合は、このセッティングの話は当てはまりません。
ヒールカップは後ろにセットし、
ベースパッドは出せるだけ前に出してください。
ベースパッドが極端につま先の下に無い状態ですと、力が伝えられません。
DRAKEバインディングのおすすめセッティングのやり方②ハイバック
ハイバックのセッティングです。
ここが一番重要なところです。
やり方は至って簡単です。
ハイバックの根元の位置を片方だけ後ろにズラして留めるだけです。
少し捻るようなテンションをかけて留めます。
なお、後ろにズラすとハイバックが少しローテーションされます。
そのため、ローテーションを考慮して内側と外側のどちらをズラすかを選択してください。
①内側(アンクルアジャスター側)を後ろにズラすと、外側にローテーションされます。
②外側(アンクルラダー側)を後ろにズラすと、内側にローテーションされます。
ハイバックのセッティングはこれだけです。
なお、筆者がおすすめするセッティングは、①のハイバック内側を後ろにズラすパターンです。
また、先程効果の章でも触れましたが、ここでも少し触れておきます。
このセッティングをすることで、フォワードリーンアジャスターを使わなくともハイバックが前傾します。
そして、ハイバックとヒールカップに隙間はありません。
これにより、フォワードリーンを入れてもブーツをコンパクトに収めることができます。
DRAKEバインディングのおすすめセッティングのやり方③ストラップ
ストラップもかなり重要な要素です。
アンクルストラップ
アンクルアジャスターとアンクルラダーのネジの位置を調整します。
アンクルアジャスター(内側ストラップ)のネジを真ん中か、前側に付けてください。
アンクルラダー(外側ストラップ)を後ろ側に付けます。
これによりアンクルストラップが斜めになります。
内側は低くなるので、膝を内側に動かしやすくなります。
外側は高くなることで、外側へのホールドが強くなり、ノーズやテールに力を加えやすくなります。
アンクルストラップの位置も重要です。
グランドマスターストラップの場合は、2パターン。
1つ目は、カービングに最適なパターン。
通常使用をし、ストラップ上側の内側の一番低いところがブーツの内側のレースガイドの位置あたりに来るようにセッティングします。
ちょうど足首の内側に空間ができるので、曲がりやすくなったり、動きやすくなります。
そして、外側の足首から上部を広い範囲で覆ってくれるので、しっかりと反応してくれます。
2つ目は、カービングとグラトリを両方やりたい方に最適なパターンです。
アンクルストラップを反対にセットし、上側の一番低いところが足首の真ん中よりちょっと外側で、下側の一番広いところが足の甲の外側を覆うようにセッティングします。
上から下へ押さえ込むようにすることで、足裏でしっかりと板を押さえつけているような感じで滑れます。
それでいて足首の可動域は広いです。
◯通常使用時は、低いところが内側レース辺りに来るようセット
◯反対使用時は、低いところが真ん中よりちょっと外側に来るようセット
トゥストラップ
トゥストラップは、足の甲とつま先に着ける2パターンがあります。
そのうち、おすすめするのは足の甲に着けるパターンです。
足の甲に着けることで、ブーツを上から下へテンションをしっかりとかけて装着できます。
これによりつま先を上げたり、後ろに体を傾ける際の反応が早くなります。
また、グランドマスターストラップと合わせてセッティングすることで、ブーツ全体を広い範囲で包み込むことができます。
後ろ足を前振りする方の中には、ラチェットがドラグしてしまう方もいることでしょう。
そこで、トゥストラップを反対にセッティングすることをおすすめします。
セッティングの内容は、【トゥストラップを左右入れ替えて、足の甲側に着ける】だけです。
トゥストラップは、ストラップを外せば簡単に内側と外側を逆に取り付けられます。
あとは、足の甲側にトゥストラップを着けるだけ。
内側と外側を入れ替えて、足の甲に着けることで雪面から離れるので、ラチェットのドラグが避けられます。
なお、ダックスタンスの場合は通常の向きに取り付けた方がスイッチランのときの邪魔にならないかと思います。
DRAKEバインディングのおすすめセッティングのやり方④ブーツのセットの仕方
ここまでバインディングをセッティングしたら、あとは実際にブーツを履いてバインディングにセットするだけ。
そして、このブーツのセットの仕方が最後のキーポイントになります。
ここで紹介する方法を活用すれば、カカトとヒールカップの隙間がなく、コンパクトに収まるのでフィット感がかなり良いです。
そして、ストラップバインディングであれば、ほぼ全メーカーに使える方法です。
ぜひ参考にしてみてください。
それでは、ブーツのセットの仕方を説明しましょう。
これで最高のフィッティングが得られます。
①カカトをハイバックに当ててつま先立ち
②トゥストラップ装着
③アンクルストラップ装着
④カカトをしっかりとフィットさせて再度ラチェット締め調整
最後に
今回のセッティングは、DRAKEバインディングで使えるやり方です。
でも、他のメーカーでも工夫すれば同じようにセッティングすることもできると考えています。
もし、DRAKEのバインディングをお持ちの方はこのセッティングを試してみてください。
好みがあるので全員に当てはまるとは限りませんが、今までと違う感覚を感じるかもしれませんよ!
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